外伝〜メンフィル・エレボニア戦争の和解調印式〜 第3話
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バルツァー家の跡継ぎであるリィン・シュバルツァーさんにしたのはエレボニア帝国に加えて中立の立場である私達をも納得させる為ですか?」
シルヴァンの指摘に対してクローディア姫は複雑そうな表情で答えを濁している中エルナンとカラント大司教はそれぞれ同意し、ある事に気づいたアリシア女王は真剣な表情でシルヴァンに訊ねた。
「リィン・シュバルツァーとアルフィン皇女の政略結婚はメンフィル・エレボニア戦争が開戦してから既に決定していた。結果的にそうなっただけの事だ。―――それと第二条の件で一つ伝え忘れていたから、それを今伝える。もし序列最下位が不満ならば、アルフィン皇女は自分自身を正妻にする男性と結ばれても構わん。」
「え………そ、それはどういう事でしょうか……?まるでわたくしとリィンさんの夫婦関係が破談になってもいいように、聞こえるのですが………」
アリシア女王の問いかけに答えた後に語られたシルヴァンの説明に呆けたアルフィン皇女は困惑の表情でシルヴァンに問いかけた。そしてシルヴァンはアルフィン皇女自身が結ばれる事を望む男性が現れた際、リィンとの夫婦関係を破談にしてその男性に嫁ぐ事をメンフィルが黙認する事をリィンが褒美の一つとして望んだ事を説明した。
「リィン・シュバルツァーさんがそのような”褒美”を望んだのですか………」
「彼は一体何故自らアルフィン殿下との離縁をしても構わない事を口にしたのでしょうな……?」
シルヴァンの説明を聞いたエルナンは驚き、カラント大司教は困惑の表情をしていた。
「―――今回の戦争で辛い立場となったアルフィン皇女殿下にせめて”一人の女性”として幸せになって欲しいと思い、そのような内容を望んだとの事です。」
「あ……………」
「リィンさん……………あの、シルヴァン陛下。リィンさんのお気持ちは嬉しいですがわたくしはエレボニア帝国にとって”恩人”にあたるリィンさん―――いえ、”シュバルツァー家”にユミルの件に対する償いと今回の戦争和解に対するせめてもの恩返しをする為にもわたくしはリィンさんと離縁をするつもりは一切ございません。」
セシリアの説明を聞いたクローディア姫は呆けた声を出した後複雑そうな表情をし、リィンの心遣いに嬉しさ等を感じて一筋の涙を流したアルフィン皇女はすぐに自分のハンカチで涙をふいた後決意の表情でシルヴァンを見つめて自分の意志を伝えた。
「その件についてはリィン達と話し合って互いの納得が行く結果にするといい。和解条約第二条実行後のリィン・シュバルツァーとアルフィン皇女の関係についてメンフィルは一切口出ししないと父上がリィンに確約したからな。よって、アルフィン皇女がリィンと離婚するか、本物の夫婦になるかはアルフィン皇女の自由だ。」
「……はい
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