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負担の軽い月でも、千年以上生きれば月神族としては長寿な方だ、本当の神や魔族とは造りが違う」
「言うなっ、それ以上言うなっ!」
「それにその外見、少し違うようだな、言っておかないと後悔するぞ」
「言うな〜〜っ!」
「そうだ… 私もお前に嘘をついていた、この体は朧なのだ……」
「聞きたくないっ! もうやめてくれっ!」
「いや、聞いてくれ、お前に抱かれ、思いを遂げた後、私は死んだのだ… 罰ではないぞ、寿命だったのだ」
「神無っ!」
月神族の体が光っている、もうすぐ消えるのだろう。 こいつの指令だけは「殺せ」では無かったようだ。
「それから朧は冬眠に入り、月に一度だけ目覚め、体は私に貸し与えられた。 長命なお前に合わせるためだ。 おかげで私はお前との逢瀬を重ねる事ができたが、それは朧の願いでもあったのだ。 こうして一つになってやっと分かった、朧もまたお前を愛していたのだと」
「そんな… 消えないでくれっ! これも罰なのか?」
「違う、この術は見破られ、全てを告白した時に解けてしまうのだ。 朧の命数もすでに尽きた… さあ、この体を抱き締めてくれ、そして「朧」と呼んでやってくれ」
「でもお前、神無じゃないかっ!」
「もう時間が無い、頼む…」
「お……… 朧……」
シュウウウウウッ
薄いベールが剥がれるように、月神族の術が消え、神無は別の女の姿になった。
「「私達はこうなりたかった、またお前を悲しませる事になるが許してくれ。 体は月を離れられないが、せめて魂だけでも共に連れて行って欲しい」」
「分かった、分かったから消えないでくれっ!」
「「数多い月神族から、私達を選んでくれて嬉しかった… 今度は人間でもいい、道ならぬ恋では無く、ずっと一緒にいて、もっと固く結ばれたい……」」
「ああっ、そうしようっ、絶対そうしようなっ!」
「「あり、がとう… 私達の… 最後の…… 願いは…………」」
月の光に照らされて、月神族が帰って行く。 白い光の粒が部屋の中を舞って、儚く消えて行った。 魔族でも人間でも、この美しい光景を見た者は少ないだろう。
「神無っ! 朧っ!」
こいつは何も無くなった空間を、魂でも抱き締めるように、そのままの姿勢で動かなかった。
《生命反応が一つ消えた、月神族を始末したのか?》
《奴はここに来る前から死んでいた、別れを言いに来たらしい》
《了解》
その後、暫く私までその余韻に浸っていると、この船にいるアンドロイド達が、部屋にぞろぞろと入って来た。
「? 何のつもりだ」
「忠夫、あっちに行ったら、神無ちゃんと朧ちゃんのためにも頑張るんやで」
「おふくろ… 関西弁は
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