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竜姫のように建前を並べたら即退場だ。
「人質とは言いませんが、二人共、戦力として欲しい人材です。 条件面でも彼の望む、友人や恋人の復活に協力できます」
「復活? 私みたいな木偶人形かい? それとも人間の体かい?」
自分の今の状況を理解しているのか? 知能と感情が有り、この状態で自殺せず、造物主を破壊しようともしない。 これなら魔法生物として、すでに完成しているのではないか?
「人間よりも、彼に合わせた長命な魔族の体になると思いますが、貴方達の体の方が性能も良くて、寿命も長そうですね」
「いいや、私達の霊的質量はゼロだよ。 他のアンドロイドも、生き人形にならないよう、徹底的に魔除けがしてある」
確か、親友の体が暴走して、自分で倒して以来、霊的物質は一切使わなくなったはずだな…
「そうですか、しかし彼は才能が有りますから、魔法を極めれば、魂の召還でも肉体の作成でも、何でもできるようになるでしょう」
「魔法ねえ… 何か胡散臭そうだね」
「まあ、そう仰らずに、そうなればもちろん、貴方自身の復活も可能になります」
「やめておくれ、またあんな男と夫婦になるなんて御免だよ」
「では息子さんの妻として復活してはどうですか? 魔界にはタブーはありませんから」
「貴様っ! 何を言い出すかと思えばっ!」
「いいんだよ神無ちゃん、こいつらはこうやって、誘惑するのが仕事なんだから。 あんまり目くじら立てると皺になるよ」
「…はい」
「じゃあ、神無ちゃんはどうしたいんだい?」
「えっ? はい、あの… 横島、いえ、忠夫さんと一緒に暮らしたいです。 例え短い時間でも構いません……」
「そうかい、よく言ってくれたね。 ふふっ、あんな馬鹿のどこが気に入ったのか知らないけどね」
それからは下らない女同士の会話が続いていた。 奴の特性、扱い方、浮気の発見方法… いかん、月神族の方が明らかに有利に交渉が進んでいる。 そこで風呂場から奴が出て来た。
「おふくろ、俺がいない間に、余計な事言わなかっただろうな?」
「ああ、お前はこのまま、神無ちゃんと月に行きなさい」
「勝手に決めるなよっ、タマモはどうするんだっ!」
条件面では月神族の勝ちか、それが愛の生活になるのか、愛の逃避行になるかは知らないがな。
「お前だって分かってるだろ、タマちゃんも、こっちのお姉さんも待てる、でも…」
「言うなっ!」
そう、こんな簡単な事をなぜ黙っているのだ? こいつは確かに任務の邪魔になる、しかしそれ以前の問題だ。 こんな偽りの生活がそんなに大切か?
「八百比丘尼」
「「…………」」
「この女が嫌がっているのはそのせいなんだろ? 地球なら800年、
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