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美女と言われるだけあって、誰よりも美しかった。 体が衰えれば誰かの体を乗っ取り、滅びればすぐに転生し、少女の姿で現れて我々と永遠を共にして来た。
その外見から天女だと密告された事もあったが、禍々しい力で相手を叩き潰した時から、誰からも恐れられるようになった。 この私でさえも…
私は奴の説得を頼まれた。 要はタマモと戦って死んで来いと言う意味だ。 魔族に与えられる名誉ある最後の戦いの場。 私はルシオラに殺されるぐらいなら、奴の爪に切り裂かれる方を選ぶ、私は久しぶりに人間界に渡った。
随分と様変わりしていた人間界、だが奴の力には及ばなかったらしい。 日本と呼ばれていた場所のあちこちで煙が昇り、破壊の爪跡が残っていた。
フオオオオオオオッ!! ヒャオオオオオオウウウウッ!!
奴の恐ろしい唸り声が聞こえる、だがそれが泣いているように聞こえたのは私だけだろうか?
巣に近付くと、恐ろしい瘴気にむせ返った。 誰もいない…、きっと今の人間に奴を倒せる程の者はいないのだろう。
「久しぶりだなっ、聞いているだろうっ? 私は負けたっ、お前の所へ行って殺されて来いと言われた。 さあ、早くやれっ」
ヒイイイイイッ!! フアアアアウウウウウッ!!
まるで鏡でも見ているようだった、哀れな獣は飼い主を求めて泣き叫んでいた。
「そうか、お前も暴れたかった訳じゃないんだな、転生したあの人に滅ぼされたかったんだろう」
ヒャウウウウウウッ! ヒィ、ヒィ、ヒィ…
血の涙を流しながら、巨大な九尾の狐から、元の姿に戻って行くタマモ。 こんな所にも私がいた。
「馬鹿だな、お前じゃないんだから、そんなすぐに転生するか。それにこの土地を壊したら、あの人が生まれて来なくなるだろう」
「うっ、ううっ」
祈るような格好で跪いているタマモ。 もう何を望んでいるか、言われなくても分かった。
「そうか、お前は眠れるんだったな。 じゃあ、せいぜい良い夢でも見るんだな」
パーーーン!
瘴気が晴れて行く…… 見ているか? 迷い狐はここに縛り付けておいた、早く迎えに来い。
「ワルキューレッ! どうして貴方がここにっ!」
神族の奴らが現れた、今ごろ何をしに来た?
「古い馴染みでな、ちょっと挨拶に来ただけだ」
「これが貴方達の挨拶なのですかっ! 跪いて命乞いをする相手を撃ち殺すなどっ!」
「そうだ、そいつの望む相手とは違ったがな。 飼い主が迎えに来るまで、ゆっくり眠らせてやれ。 私が預かってもいいが、こいつはこの場所で待っていたいらしい」
奴がこの場所を選んだ意味が分かった。 ここが奴にとって、あの人と初めて出合った場所。 そしてまた巡り合える場所なのだ。
「待ちなさいっ、貴
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