暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン 〜槍剣使いの能力共有〜《修正版》
ALO編ーフェアリィ・ダンスー
15.再び
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「あぶない!!」

 助けに行こうとするが中央のリーダー格の男が牽制して動けない。
 初心者プレイヤーがサラマンダーの兵士の攻撃を受けて耐えられるわけがない。だが次の瞬間信じられない光景が広がっていた。
 突進して来たサラマンダーの槍が大きく上へと弾かれていた。
 そしてがら空きとなったどう目掛けて目にも留まらぬ速さの剣戟が繰り出された。初期武器であるせいかHPの全てを削り取ることはできなかった。しかし、もはやサラマンダーのHPは風前の灯だった。
 その光景に唖然としていたリーファとリーダー格の男をさらに少年は驚愕の動きを見せた。

「この、初心者の分際で!」

 攻撃を受けたサラマンダーだったが体勢を立て直して上空へと逃げ回復するつもりだ。あと一撃で受ければHPはなくなる。魔法で攻撃しようとするが詠唱を唱えている時間を与えてくれはしないだろう。その間にもサラマンダーは高々と上空へと逃げる。
 その時だった。

「わぁぁぁぁ!」

 そんな声とともに上空を舞っていたサラマンダーの体が赤い光に包まれて四散する。そして死亡したことを現すエンドフレイムが地上に落下してくる。
 魔法を使用することもなく翅を使った近距離攻撃でもなく上空に浮かぶ敵をどうやって倒したというのだ。
 リーファは少年を見て何をやったのか理解した。先ほどまであったはずの背中の槍がなくなっている。まさか、槍を投げたというのか。
 投擲による攻撃は確かに存在する。しかし槍を投げるなどリーファは聞いたこともない。しかも上空へ向けてだ。距離にして見ても二十メートル以上は離れていたはずだ。
 それに自分よりも高い位置にいる標的に当てることがどれだけ難しいことか。
 それをこの少年は平然とやってのけたのだ。

「こいつらって倒してもいいんだよね? つっても一人やちゃったけど」

 少年は少し申し訳なさそうにリーファの方を向く。

「え、ええ……少なくとも先方はそのつもりだろうけど」

「了解!」

 少年は上空から落下して来た槍を左手で掴むとそのままわずかに重心を落とした。右手に片手剣。左手に槍というとてつもなく変則的なスタイル。
 リーファは直感的に感じ取った。これが彼本来のスタイルなのだと。
 片手剣がわずかに動いたと思った瞬間には、少年の姿はそこにはなかった。一瞬にしてサラマンダーの一人との距離を詰めていた。
 あまりの速度に反応しきれないサラマンダーの男は槍を振り下ろす。しかし、それよりも強い力で振り上げられた片手剣によって大きく弾かれる。そしてがら空きになった本体目掛けて後方から勢いをつけて放たれた槍が貫いた。
 その一撃は一瞬にしてサラマンダーの体をエンドフレイムへと変化させた。
 ALOの攻撃の判定は、武器の威力、
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