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ソードアート・オンライン 〜槍剣使いの能力共有〜《修正版》
ALO編ーフェアリィ・ダンスー
15.再び
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してて、慣れると自由に飛び回れるそうだ」

 それはある意味で人類の夢だったことができるというわけだ。様々なVRゲームでも飛行の疑似体験はあったがそのどれもが飛行機などに乗っての体験であり生身の人間が飛べるわけではなかった。
 だが、普通に考えて人間が飛ぶことなど不可能だ。なぜならそのための器官を人間は持っていないからだ。仮に仮想世界で翅ができたとしてもどうやって動かせばいいのかを人は知らない。
 SAO内部でも飛行スキルがあればどれだけ便利かと思ったことがあった。明らかにプレイヤーから考えて不釣り合いな大きさの敵に挑む時には、ジャンプしながら戦うしかなかった。SAOでも後半はかなりのジャンプ力があったため飛行スキル並みには飛べたかもしれないがどこまでいってもそれはジャンプにすぎない。
 完全なる飛行は、まだ体験したことがない。

「どうやって制御するんだ?」

 和人もその話に食いつく。

「さぁな、だが相当難しいらしい」

「そりゃそうさ、人間には存在しない羽を操るんだ。背中の筋肉を動かすのかな?」

「いや、コントローラーみたいなので操縦するんじゃねぇか? でも、それだと実際に飛んでる感覚とは違うからば」

 やってみたいという好奇心がくるも集也はそれをぐっとこらえて、出されたコーヒーを飲むと話を戻す。

「だが、そのゲームがアスナとどんな関係があるんだ?」

 エギルがカウンターの下からプリントアウトされた紙を取り出すと集也たちの目の前に置く。

「どう思う?」

「似ている……アスナに」

「あぁ、似てるよな」

 写し出されるのは、かなりの画像を引き伸ばしたのか解像度が低くモザイクがかかったようになっているがその姿を見たことがあった。今だあの世界から目を覚ましていない和人の最愛の少女に似ていた。

「やっぱり、そう思うか」

「早く教えてくれ、これはどこなんだ」

「ゲームの中だよ。アルヴヘイム・オンラインのな」

「なんでそんな場所にアスナが?」

 エギルがゲームのパッケージを裏返す。そこには、アルヴヘイム・オンラインの細かい内容とマップの全体図が描かれている。円形の世界にいくつもの種族の領土があり、その中央に巨大な樹がそびえている。

「《世界樹》というそうだ」

 エギルはイラストの中央をコツンと指差す。

「この木の上の方に伝説の城があって、プレイヤーは九つの種族に別れ、どの種族が先に城に辿り着けるかを競ってるんだと」

「飛んで行けばいいじゃんか」

「何でも、滞空時間ってのがあって、無限には飛べないらしい。でだ、体格順に五人のプレーヤーが肩車してロケット式に飛んでみた」

「お……なるほどね。バカだけど頭いいな」

「確かにな」
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