暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン 〜槍剣使いの能力共有〜《修正版》
ALO編ーフェアリィ・ダンスー
14.許された過去
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ほんの一瞬だけ、言葉が聞こえたんです」

 母親は少し間をあけてからその言葉を口にした。

「私には……シュウ、ありがとう、と娘が言ったような気がしたんです」

 それがミサキの最後の言葉。
 彼女はあちらの世界でもこちらの世界でも集也にそんな言葉をかけてくれるのか。
 身体から力が抜けていく。膝から崩れ落ちそうになるのをなんとか堪える。
 瞳からは熱いものが流れる。止めようとしても止めることはできない。

「先ほどの話、私にはほとんどわかりませんでしたが、美咲があなたに感謝していたことはわかります」

 その言葉だけで集也がどれだけ救われたことか。
 ずっと後悔ばかりし続けてきた。なんであの時、嘘をついたのだろう。なんであの時、皆を止めれなかったのだろう。なんであの時、ミサキを殺したんだろう。他にも方法があったかもしれない。
 集也が犯した罪が消えるわけではない。けれどもほんの少し、ほんの少しだけ許された気がした。

「どうでしたか。美咲は、向こうでも笑ってましたか?」

 止めどなくこぼれる涙。
 集也は必死に声を絞り出して、

「はい……笑顔でした」

 精一杯の言葉で答えた。

「そうですか……それでは」

 彼女は、集也の言葉を聞くとその場に落ちているバケツと花を拾い上げてこちらに一礼して去って行った。
 集也は彼女が去るまでその光景を見続けた。
 そしてミサキの墓石の前に座り、両手を合わせる。

「また……来るよ」


 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 次の日の朝。久しぶりに集也は気持ちのいい朝をむかえられた。その理由は明確だった。
 頭をかきながら、部屋の窓を開け、大きな伸びをしながら深呼吸をする。
 珍しく向かいの家からいつもの少女の声は聞こえない。
 今日もやっていたら顔を出そうと思っていたのだが少し残念だ。
 寝起きにシャワーを浴びようかと思ったその時だった。
 ぽーん、という電子音が部屋の中に響いた。机の上に置いてあったスマホに目を向ける。ロック画面を確認するとメールを受信の表示が出ていた。
 指紋認証でロックを解除し、メールのアプリを開く。パソコンの方にきていたメールをスマホで見れるようにしていたためパソコンのメールが表示される。そのメールを表示するとそれは《エギル》と表示される。
 アインクラッド五十層主街区《アルゲード》の雑貨屋店主兼攻略組の斧使いのエギルとは、二十日ほど前に東京で和人ともに再開した。メールが来たのはこれが初めてだ。タイトルは【Look at this】となっており、集也と和人の二人に送られている。開くとよっぽど急いでいたのか文章は一文字もなく代わりに写真が一枚添付されていた。
 スマホなためかパソコンに比
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