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ソードアート・オンライン 〜槍剣使いの能力共有〜《修正版》
ALO編ーフェアリィ・ダンスー
14.許された過去
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が来てくれてきっと娘も喜んでいますよ」

 やはり彼女はミサキの母親。
 わかっていた。最初に見たその瞬間からわかってはいた。しかし、心のどこかでその可能性を除外していた。そんなはずがないと思い込んでいた。
 本来ならば、集也はミサキに会う前に全てをこの人に伝えなければならない。しかし自らの弱さでそれができなかった。結局、集也はあの頃から何も成長していない。ずっと逃げ道を作ってきた。
 だが、もう逃げるのはやめたんだ。
 震えを抑えるように右手を強く握りしめた。
 一度大きく息を吸い込んでから吐き出す。
 そして、

「僕は……ミサキ……美咲さんとあの世界で知り合ったんです」

「……あの世界」

 その言葉に先ほどまで浮かべていた表情は消える。目は大きく見開かれる。
 それを見てまたしても言葉が詰まりそうになる。だが、ここで口を閉ざせばまた同じことになる。

「すみませんでした!!」

 集也はアスファルトに両手と額をつける。土下座。アスファルトの冷たさが額と手を通じて伝わってくる。

「急にどうしたんですか!? 顔をあげてください」

 唐突に土下座をされて女性は驚いた声をあげる。しかし、こんなことで集也がやったことは許されることではない。それにこれを集也にとっては一つの逃げでしかなかった。
 ミサキの母親の表情を見て集也の意思は揺らぎかけた。彼女の表情を見ないように集也は土下座した。謝罪の気持ちよりも先に保身を考えてしまっている自分が嫌になる。
 最低な自分が大っ嫌いだ。
 しかし、ここで逃げ出せばもっと最低な自分になるだけだ。それはあの世界で生きる意味をくれた彼女の言葉を裏切ることになる。
 これ以上誰かとの約束に嘘をつくのはやってはいけない。それだけはもうしてはならない。

「僕がやったことは許されないことです」

 どれだけ謝罪の言葉を重ねても消えることのない集也(シュウ)の罪。あの世界が終わろうとも決して消えることなく一生集也が背負い続けなければいけない。

「……許されないこと?」

 集也は声を出そうとする。だが、言葉が出ない。喉の奥に何かが詰まったように息苦しい。
 言うことはわかっている。理解している。それなのに集也の意思とは違く体は言うことを聞こうとしない。まるで脳と体が別のものになったかのような感覚だ。
 集也は無理矢理、声を振り絞る。

「僕が……ミサキさんを……殺しました」

「あなたが……美咲を……」

 女性の驚愕な声。手に持っていたバケツが地面へと落下する。朝の静かな墓地に金属が落ちる鈍い音が響いた。集也にはそれがとても長く聞こえた。近くの森から烏が羽ばたく音が冷たい空気を震わせる。
 それ以降言葉はこない。集也は顔を上げることができ
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