暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン 〜槍剣使いの能力共有〜《修正版》
ALO編ーフェアリィ・ダンスー
14.許された過去
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 ロードを止め、墓地の中へと足を運ぶ。そして奥地にある墓石の前で足を止める。その墓石には【北野】の文字が彫られている。

「来たよ……ミサキ」

 あのデスゲームを抜け出して、またしても喪失感に襲われていた集也の元にスーツ姿の数人の男たちが訪ねてきた。なんでも『総務省SAO救出対策本部』と大層な名前の組織の者だと名乗った。
 しかし、そんな大層な名前の組織は肩書きだけのもの。二年間何も手出しができなかった。しかしそれはしょうがないことだ。下手にちょっかいを出せば囚われていた一万人全ての命を危険に晒しかねない。
 その中でも彼らは被害者を病院に受け入れる態勢を整えた。それだけでも十分な偉業だ。あとはごくわずかなプレイヤーデータのモニタリングだけ。その中でもシュウのレベルと存在していた位置から攻略組のプレイヤーだったということをわかっていたらしく何が起きたのかを急いで聞きにきたらしい。
 その時の集也はほとんど抜け殻の状態であったが、同じ病院にもう一人攻略組のプレイヤーがいるとその男達から聞いて何故だかわからないがそれがキリトだと聞いた時には確信していた。それは思った通りキリトだった。
 その時、集也はどこか救われた気がした。
 その男は何があそこで起きたのかの情報をこちらが教える代わりにこちらが知っている情報の交換条件を提示してきた。集也たちはその条件をのんだ。そこで集也はギルド《希望》のメンバーがどこにいるかの情報を求めた。
 そこでわかったことがミサキ、北野美咲が集也が住んでいるのが近くだったということだった。
 まず、あの世界での約束を果たすために集也は直ぐにそこへと訪れようとした。他のギルドメンバーの居場所もわかりホッとしていた集也だった。しかしそこまで上手くはいかなかった。集也は衝撃の事実を男から聞いた。

『結城明日奈を含む、約三百人のプレーヤーがまだ目を覚ましていない』と……


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「ミサキ……また来るよ」

 最近あったことを色々とミサキに話す。そして集也がミサキの前から立ち去ろうとした。その時だった。
 遠くの方から砂利を踏みしめる音が聞こえる。それはこちらへとゆっくりと近づいてくる。
 首だけを音の聞こえた方へと向ける。花を持ち右手にバケツを下げている三十代後半くらい落ち着いた色のコートを着ている女性がこちらを見て頭を軽く下げている。こちらもそれに返す。
 わずかに笑みを浮かべた女性はゆっくりとこちらに近づいてくる。

「最近、花がよく変わっていると思ったら、あなただったんですね」

「……は、はい」

 女性はミサキの前に座ると優しい笑みを浮かべて持ってきた花を花立に刺していく。だが、その表情はどこか寂しげに見える。

「あなた
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