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魔法少女リリカルなのは 絆を奪いし神とその神に選ばれた少年
真・三十九話 真相
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……そういえば、あの高宮が見せてきた映像」

と、そこまで考えた所で全はもう一つ、ある事実を思い出した。

映像の中で聖が決まって全に見せていた映像。あれは一体何だったのか?

だからこそ聞く。全は真耶ならば知っていると思ったから。

「真耶…………映像の中で高宮が俺に見せてきた映像……あれは、真実か?」

《……………………………結論から言えば、事実だ》

長い沈黙の後、真耶は事実だと伝える。しかし、すぐにだが、と否定する。

《あれはその前の事が重要なのだ。あの部分だけを見ればお前が悪いという結論に達する。しかし、その前を見ればわかる。あれは誰が悪い訳ではないのだ》

「…………その記憶が俺にないのは、何でだ?」

『マイスター。それは……』

《いいんだよ、シン。いい機会だ。もう全も大丈夫だろうからな》

と、姿見に写っていた真耶が同じく姿見に写っている全の頭に手を置く。と、現実の全にも何かが頭に触れている感覚に襲われ…………何かが、開かれる感覚もあった。

そして、全は思い出す。消された記憶を。月神東吾と上月東馬にある縁を。そして、自身がどれだけ愛されていたのかを………………。
























ここは、ある施設の訓練場。その訓練場にただ一人ぽつんと立つ一人の少年の姿があった。

彼の名は上月東馬。その身に神を宿している少年だ。しかし少年の瞳には光がない。

それもそうだろう。自身を鍛えてくれた師匠が自身を庇って死んだのだ。希望を持てる筈がない。それこそ仲間達の信頼でさえも疑ってしまう程に全は周りを拒絶した。

そんな中でも全は仕事をこなした。暗殺の仕事をこなし続け、今は次の仕事の前の一休みというやつなのだ。

そんな憔悴しきった東馬の元に歩み寄る人影がある。

彼の名は月神東吾。全に色々な事を教えてくれた人だ。そして妙に全に対して過保護な所もある。

それが何なのか全は分からない。でも全はそれを邪険に扱わなかった。なぜか懐かしい感じがしていたからだ。

そんな東吾が東馬の元に辿り着く。

「東馬君、そろそろ休んだらどうっすか?あんまり働きづめじゃ体に悪いっすよ」

「…………東吾さんには関係ないでしょ」

そう言って東馬は立ち去ろうとしたがその肩を東吾は力強く掴む。まるで行かせないと言っているかのように。

「いや、関係ない訳ない。俺たちはチーム、仲間っすよ。関係ない訳ないっしょ?」

「…………関係ない、でしょ」

「だから「うるさいっ!!!」っ!」

東馬は力任せに振りほどく。

「俺に、仲間なんかいらない!失う位なら、仲間なんかいらない!家族なんかいらない!
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