過去編、艦娘に対する提督の想い
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「飛龍」
「ん?なぁに?」
俺は氷のように冷たい言葉で喋っていた
「明日、少し他の鎮守府に行く事になった、秘書も連れてこいとのことだ」
「わかった、明日ね」
俺は飛龍にそう告げると椅子から立ち上がり執務室を後にした
いまの時刻は夜の2時、おそらく鎮守府内でも起きているのは俺ら二人程であろう
俺は自室に戻ると薬を飲み、ベッドに倒れ込んだ
「俺がやるしかないんだ...父さんのしたかった事を...俺...が...」
俺はすぐに眠りについた
〜翌朝〜
「ん...朝か...」
ベッドから体を起こし、時計を見る
いまの時刻は5時...
「3時間か...いつからこんな生活になったんだろうか」
もう覚えていない、というか忘れようと決めていたことだった
「さて、準備しないとな...」
この時の俺は自室しか心の安らぐ場所がなかった
いつも通りの白い制帽と軍服を着て、今は亡き父と母そして子供の自分が写った最初で最後の家族写真を胸に入れ、自室を出た
それから執務室に行き、書類を少し済ましてから起床のラッパを鳴らした
艦娘達の起床は6時、そして7時に食堂にて朝礼をやるのがうちの習慣だ
本来の提督はその1時間の間に朝食を先に済ませる
だが、俺は違った
その1時間を執務に当てていた
よって朝食は摂っていない
この生活もいつからやっているのか覚えていなかった
執務をして少し経って...
「7時...朝礼か」
執務を止め、食堂に向かった
食堂につくと各々が話ながら朝食を摂っていた
俺が前に立つとそれに気づいた艦娘が周りに声をかけ、一瞬にして静まり返った
「これから朝礼を始める」
全員が椅子から立ち上がり、敬礼した
「今日、俺は少々用があるから留守にする、各自で対抗演習などをすること、出撃はなしだ」
それだけを伝え、飛龍を連れて鎮守府を出た
「そういえば今日はどこに行くの?」
「呉で会議」
簡潔に伝えて話を切った
それ以降は特に会話も無く、船で呉へと向かった
呉に着き次第すぐに本部へと行き、全員集まったところで会議が始まった
「会議の進行は私が勤めさせていただきます」
1番奥に座っていた白髪のいかにもベテラン、みたいな姿をしている人が進行の様だ
「今回、集まってもらったのは他でもない、深海棲艦の行動の活発化についてだ」
集まった人間が1人を除き、全員真剣な表情になった
「行動が見られたのは2箇所、横須賀とトラック泊地、特に横須賀は大きすぎる被害を受けた」
完全崩壊だからな、大きすぎる
あまり思い出したくない
「次の被害を被る前に、深海棲艦の主力級を仕留めようと思う」
「主力、というのは大体どのくらいの戦力だったのでしょう?」
「おおまかでしか判明していないが姫に鬼、flagshipにレ級まで出てき
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