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ONEPIECE 空の王者が海を征す
空の王者、砂漠の国を後にする
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・クレーの気迫は般若のよう、その覇気に当てられた海兵達は漸く我に返った。

「掛かってこいや……!!!」


「ボンちゃん……!!」

遥か遠くで轟く爆音と砲撃音。自分達の囮を買って出たボン・クレー、それらを見つめるルフィ達。激しく鳴り響く砲撃音と上がり火柱、次々と上がる火の手と崩れるマスト。突き刺さって行く鉄の槍、それらを受けても彼らは抵抗、いや戦い続けている。全ては自分達の為、崩壊して行く船を、戦い続けているボン・クレーの侠義に皆号泣していた。

「俺達、おめぇらの事、絶対忘れないからなぁぁっ!!」

深く深く刻まれる漢の姿、そして彼の雄たけびは海に響くかのように轟いた……。皆はそれを受け止めながら仲間の為に船を進めて行く……。


約束の12時、東の港近辺へと一時的に船の足を止める。猶予はもう無くなった、此処に居なければビビは海賊にはならないと言う事になるが……姿は見えず町からはビビのスピーチと思われる声が聞こえている。矢張り王女として残り決意をしたのだろうとレウスは思った、それが良いのかもしれないと思いつつ寂しさが胸を過っていた。

「な、なあビビじゃないよな!?似てる声なだけだよなレウス!?」
「チョッパー、あれはビビちゃんの声だよ。知ってるだろ、俺達はあの声を何度も聞いてきたんだから」
「で、でも……」

チョッパーは受け入れたくなさそうにレウスに違うと言って欲しそうに言葉を投げ掛けてしまった、解っている仲間としてずっと旅をしてきたのだからあの声がビビの物だと。でも否定して欲しかった。言い聞かせるような言葉に顔を俯かせた。まだ居ようと渋るルフィを説得しようとサンジが言葉をかけた時、岩場から一人と一匹の鳥が姿を覗かせた。

「皆ァ!!」

その声に皆が一斉に後方甲板へとかけ出した、そこからカルーと共に岩場でこちらへと手を振っているビビの姿があった。カルーに乗っている電伝虫を握ると口を開いた。

「私は、この国を愛しています、でもこんな気持ちを抱いた事なんてありませんでした。この心の中でざわめくこの気持ちに、素直になりたいんです。だから、私は……行ってきます!!」
『ビビィッ!!!!』

電伝虫から伝わって言葉は国中へと広がりながらメリー号に乗っている皆にも伝わりながら歓喜の感情を浮き彫りにさせながら大声を張り上げた。レウスはしょうがない娘だと呆れているつもりだが隠しきれていない笑みと嬉しそうに羽ばたいている翼が彼の内情を示した。船を出すように言うと羽ばたいた彼はビビの元へと飛んだ。

「ビビちゃん、全く君って子は……しょうがない子」
「そうさせたのはレウスさんですよ」
「じゃあ、責任を取ろうかな」

笑いかけるレウスに表情に一瞬更に高く鳴り響く心臓の鼓動にビビは息を飲んでしまった
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