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蒼き夢の果てに
第7章 聖戦
第168話 蒼穹が落ちる
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のトコロ今の俺の望みの未来がどのような物なのか実は自分でもよく分かっていないのだが、少なくとも今回の人生に於いても逃げると言う選択肢を選ばなかった。それだけは間違いない。
 嫌なら逃げる事は出来た。転生の際にハルケギニア世界……前世で生活をした世界の直接の過去に再び関わったのか、それとも似ているだけの違う世界に関わったのかは定かではないが、この世界に関わる事となる人生を最初から選ばない事だって出来たはず。また、この世界から一度追放された後に訪れた世界……有希の暮らして居た世界で、ハルヒをからかいながら、産まれてから高校二年生の四月まで暮らして居た世界と同じような道を歩む未来を選ぶ事だって俺には出来た。
 しかし、俺が選んだのは全てを終わりに導ける可能性のあるルート。但し、故にかなり困難な道のりと成る事が確実なルートである事も間違いない。

「すまなんだな。もしかすると心の何処かに弱気の虫が棲み付いて居たのかも知れない」

 頬に触れたままであった彼女の手を自らの手で柔らかく握りながら、晴れ渡った冬の氷空色の彼女の瞳を見つめ返す俺。瞳には力を籠める事もなく、少しの笑みを浮かべながら。
 もっとも弱気の虫……と言うよりも、本当は転生する度に前世の記憶を持ち続ける事に因って、俺自身が死に慣れて仕舞っていたのかも知れないのだが。もし今回がダメでも次回があるさ。その内に何とかなるだろうさ、と言う部分が心の何処かに在った可能性はある。

 俺の言葉に小さく首肯くタバサ。ただ、その瞬間、非常に珍しい事に彼女の方から一瞬、僅かに視線を逸らしたような気がしたのだが。
 そして、それと同時にハルヒやさつきが同じようなシチュエーションの際に発する好意を示す強い気配が……。

 成るほど。まぁ、何にしても――

「俺が最初にやらなければならないのは反乱を起こしたアルザス侯爵の元に行って、シャルロットを助け出す。それで良いんやな?」

 有希や万結なら戸惑いにも似た気配を発する瞬間に、ハルヒたちと同じような好意を示す強い気配を発したと言う事は、矢張り普段の彼女は作られた……そう言う無機質不思議ちゃん系の少女を演じているのだと思う。
 但し、おそらくその辺りは願掛けやゲッシュに関わる可能性が高いので、敢えてツッコミは行わず……。

 それで、普通に考えると、これ以外に俺やタバサが投入されるべき事案はない。
 確かにクトゥルフ神族に関わる連中が堂々と一国を支配している可能性のあるアルビオンは非常に危険な国だと思う。しかし、其処をどうにかしようにも、自国内に反乱が起きている状態で他国に兵を送るのは流石に問題が大きい。
 更に、この辺りは少し曖昧となるのだが、ブリミルの後継者の四人と、その使い魔の四人を聖地に揃える事で、前世では始祖らしき人型の何モノ
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