第二話
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「いや、だから俺は男なんだって。ついてるもんはついてるし、ねぇもんはねぇし。そりゃまぁ、こんな顔だから女っぽいとは言われるが、生物学上確かに男だ。」
俺は目を白黒させている目の前の女の子に再びそう言った。……まあ、生物学上で言うと人間が海の上に浮くなんて有り得ない訳だが。もっと言ってしまうと手足のように砲門を動かすなんてもっともだが。
「は?いや、ちょっとまて、え?男?」
かなり焦っている様子の女の子。女の子からしてみれば、有り得ない事が起こった様なもんだろうな。そりゃ焦る。
ここで、何やらケータイの着信音の様なものが鳴った。
「あ、わりぃ。こちら木曾。逃がした一隻だが……たまたま艦……娘でいいのかな……になったばかりの奴が撃沈させた。んで……あー……詳しい話は帰って話す。んじゃ。」
と言って、女の子は通信?を切った。
「おおそうだ。忘れてた。俺の名前は木曾だ。よろしくな。」
と言うと、手を差し出してきた。まぁ、ここで掴まないという訳にもいかないだろう。ただでさえ座ってる訳だし。
「おう。どうよろしくされるか知らねぇがよろしく。」
俺は差し出された手を掴み、立ち上がろうとした。しかし、立ち上がった瞬間に、足から力が抜けた。当然、俺を立ち上がらせようとしていた木曾も俺と一緒に転んでしまった。
「「おわぁ!?」」
二人の声が重なり、俺達の体も重なった……けしからん意味は無い。むしろ木曾の着けている機械が当たって痛いくらいだ。身体中の感覚という感覚を研ぎ澄ませば柔らかい『何か』を感じることはできるかも知れないが、そんなことしてたら多分なんか刺さる。
「いてててて……。」
「大丈夫か?」
木曾がそう聞いてきた。心配してくれるのはありがたいけど、そうなら早く退いてほしい。俺のせいとはいえ。
「大丈夫だけど、なんか、身体中に力が入らねぇ。」
どっかに体のなんか打ち付けたかな?とも思ったが、どうにもそんな感じはしない。近いものを言うとすれば……疲労か?
「あー、ちょいと失礼。」
木曾はそう言うとむくりと起き上がって、俺の背中の機械を何やらゴソゴソし始めた。
「あー、やっぱり燃料切れか。ついでに弾薬もスッカラカンと。」
「燃料?」
燃料って言いますと、あのガソリンとかのか?
「この機械……艤装って言うんだけど、これには俺達が戦うために必要な燃料や弾薬ってのを入れててな?それを使って海の上を走ったり、砲弾撃ったりするわけだが……艤装ってのは使う当人と一心同体でな?燃料が無くなると動けなくなるし、弾薬が無いと攻撃出来ない。」
うん、色々と突っ込みたい所満載だが、それも今更、スルーしてい
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