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ソードアート・オンライン 〜槍剣使いの能力共有〜《修正版》
SAO編ーアインクラッドー
13.世界の終焉
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えないような小さな声で残されるプレイヤーたちに呟いた。
 それぐらいしかシュウからかける言葉はなかった。
 こんな汚れきった手で多くの人を救えるというのならこれ以上の罪滅ぼしはない。
 茅場は左手でウインドウを操作すると、その場に立つプレイヤーたちのHPバーが同じ長さに調整される。レッドゾーン寸前。一撃でもクリティカルが出れば決着がつく。
 ついで、茅場の不死属性を解除するシステムメッセージが表示されると茅場は床に突き刺さった剣を二人同時に抜き、後ろに構える。
 正直なところで言えば勝機はなかった。剣技においてやつとシュウとの差はほとんどないと言ってもいい。しかし、あの男には《オーバーアシスト》がある。それをあのAIが操れるかどうかはわからない。だが、AIということは最善の方法でシュウを潰してくるはずだ。
 それに加えて、シュウの戦闘データをインプットされていると言った。つまりは今までシュウが操ってきた戦い方では、間違いなく負ける。
 やつは言った。システムを超えろと。
 それが出来なければシュウは死ぬ。
 空気が張り詰めていく。圧力に押しつぶされていくようだ。
 これはデュエルではなく単純な殺し合いだ。
 互いの命をかけたせめぎ合い。出し惜しみしていては、負ける。
 約束を果たせなくなる。
 だからこそ、シュウはこの世界を解放するための英雄ではなく。この世界そのものを壊す破壊者として茅場を───

「殺す───ッ!」

 シュウとキリトは床を蹴り、一気に茅場めがけて剣を繰り出した。茅場はやはりそれを難なく受けとめる。
 シュウはさらに片手剣へと力を加えてそのまま後ろに強制的に後退させる。
 キリトたちとかなり距離が離れた。これならばお互いに自由に戦える。
 今一度、シュウは目の前に立ちはだかる男を睨みつけた。目の前にいるのは寸分違わぬヒースクリフの姿だ。だが、こいつはAIだ。
 それにもう迷うことはない。こいつを殺してシュウはこの世界を壊す。
 片手剣を肩に担ぎ上げ、わずかに左手を前に構える。剣が閃光を纏い床を蹴り上げ一気に距離を詰める。
 ───片手剣突進技《レイジスパイク》
 しかし、この攻撃は確実に茅場に止められる。それは理解している。全てのソードスキルをデザインしているのはこの男だ。ならば、全てのソードスキルはモーションに入った瞬間にこいつには何が使用されるか予知することができる。しかし、逆を返せばそれ以外の動きは完璧には予知できないということだ。
 片手剣の刃が激突する寸前、シュウは左手に光を纏わせてシステムが身体を前に進ませようとする力を無理矢理抑え込んで膝を曲げるモーションへと移行する。すると身体に強制的にブレーキがかかり、盾の寸前で《レイジスパイク》がキャンセルされ、手刀術のソードスキルが上
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