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ソードアート・オンライン 〜槍剣使いの能力共有〜《修正版》
SAO編ーアインクラッドー
13.世界の終焉
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れ、全プレイヤーがこの世界からログアウトされる。どうかな……?」
その条件を呑めば、みんなが助かる。
シュウの答えは最初から決まっていた。あの男、ヒースクリフを殺すことこそがこのゲームをクリアする手段だとどこかでその可能性にかけていた。
この世界を救う英雄になる。シュウにはもうその資格などはない。だが、彼女たちとの約束を守るためにシュウはこの世界を解放する。
英雄としてではなく……
「ダメよ。キリト君、シュウ君、今は引いて」
キリトの腕の中でアスナが必死で身体を揺さぶりながら声を張り上げる。
「……ふざけるな……いいだろう。決着をつけよう」
キリトが声を振り絞るようにしてゆっくりと頷いた。
ここでヒースクリフと戦うのは、最善の策ではないのは多分、どちらも理解しているはずだ。自らに不死属性を与えられ、プレイヤーたちに無条件で麻痺を付与し、ユニークスキルまでも自らのものにしている、この世界の最高神に二人だけで挑むなどほとんど不可能だ。
「キリト君!」
「ゴメンな。ここで逃げるわけにはいかないんだ」
キリトは覚悟を決めたようにアスナにつぶやく。
「……死ぬつもりじゃないんだよね」
「あぁ、必ず勝つ……勝ってこの世界を終わらせる」
「わかった、信じてるよ……キリトくん」
キリトは抱きかかえるアスナをゆっくりと床に寝かせ、立ち上がる。背負われる二本の剣を抜き、一歩一歩ヒースクリフに近づく。
「だが、こちらとしても君たちを二人まとめて相手にするというのは、少々不利になる」
そんなことはない。
仮にシュウとキリトの二人掛かりで挑んだとしても最後にフィールドに立っているのは、この男だろう。
対等の条件で戦ったとしても、あの防御力は異常だ。それも《オーバーアシスト》を使わずにこの実力だ。
一瞬でも隙を見せればそこを突かれてシュウとキリトはやられるだろう。
ヒースクリフは、目の前のメニューウインドウを操作する。すると彼の真横に強烈な光が出現する。
そこに現れた姿を見て、全てのプレイヤーたちは目を見開いた。赤と白の鎧。鋭くまっすぐ伸びた長剣。十字を思わせる巨大な盾。
その姿はまぎれもないヒースクリフそのものだ。
驚きで言葉にできないでいると、ヒースクリフは薄い笑みを浮かべながら、
「そこまで驚くことはないだろう。わたしのデータをコピーして作られたアバターだ」
そこまでのことをゲームマスターは行えるのか。自らをコピーする。しかし、それは意識の入っていないただの抜け殻。
そんなものを増やしたところで本物には格段に劣る。
「そんな人形を増やしてどうする気だ。まさか、片方はそいつと戦えって言うのか?」
「いかにもそうだ」
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