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ソードアート・オンライン 〜槍剣使いの能力共有〜《修正版》
SAO編ーアインクラッドー
13.世界の終焉
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ウ君」

「最初におかしいと思ったのは、デュエルの時だ。最後の一瞬だけあんたあまりにも速すぎたよ」

「やはり、そうか。あれはわたしにとっても痛恨事だったよ。君たちの動きに圧倒されてつい、システムの《オーバーアシスト》を使ってしまった」

 彼はゆっくりと頷くと、初めて表情を見せる。唇の端を歪めて、ほのかな苦笑いを浮かべる。

「確かにわたしは、茅場晶彦だ!!」

 この男、ヒースクリフ。いや、茅場晶彦は、さらに衝撃の事実を口にする。

「付け加えれば、最上階で君たちを待つはずだった、このゲームの最終ボスでもある」

 またも皆が声にならない声をだす。

「趣味がいいとは、言えないぞ。最強のプレイヤーが一転、最悪のラスボスか」

「……洒落にならねぇよ。テメェは」

 このゲームの創始者にして一万人の魂を閉じ込めた牢獄を作り出した男、茅場晶彦は見覚えにある薄い笑みを浮かべた。

「……最終的にわたしの前に立つのは、キリト君とシュウ君と予想していた。全十種存在するユニークスキルのうち《二刀流》スキルは全てのプレイヤーの中で最大の反応速度を持つ者に与えられ、《手刀術》は全てのプレイヤーの中でスキルの発動が最速の者に与えられ、その者たちが魔王に対する勇者の役割を担うはずだった」

 ヒースクリフはどこか楽しそうに説明を続ける。

「だが、君たちは、わたしの予測を超える力を見せた。まぁ、この想定外の展開もネットワークRPGの醍醐味と言ったところかな」

「……俺たちの忠誠……希望を……よくも! よくも!! よくも!!」

 血盟騎士団のプレイヤーがヒースクリフに剣を向け振り下ろす。その瞬間、ヒースクリフがメニューウインドウを開く。すると、男の体は空中で停止しそのまま床に落下した。

「……麻痺?」

 そこからヒースクリフが手を動かすたびに次々とプレイヤーたちが不自然に倒れていく。
 そして最終的にシュウとキリト以外の全員が麻痺にかけられる。

「どういうつもりだ。この場で全員殺して隠蔽する気か」

 いや、違う。
 この男がそんなことをするわけがない。

「まさか、そんな理不尽な真似はしないさ。こうなっては致し方ない。わたしは最上層の《紅玉宮》にて君たちの訪れを待つことにするよ。ここまで育ててきた血盟騎士団、そして攻略組プレイヤーの諸君を途中で放り出すのは、不本意だが、なに、君たちの力ならきっと辿り着けるさ。だが、その前に……」

 ヒースクリフがわずかに微笑んでこちらを向く。

「キリト君、シュウ君、君たちには、わたしの正体を看破した報酬を与えなくてはな。チャンスをあげよう。今この場でわたしと一対一で戦うチャンスだ。無論、不死属性は解除する。わたしに勝てばゲームはクリアさ
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