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ソードアート・オンライン 〜槍剣使いの能力共有〜《修正版》
SAO編ーアインクラッドー
13.世界の終焉
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日十四時五十五分、ゲームはクリアされました。ゲームはクリアされました。ゲームはクリアされました……』

 ゲームはクリアされた……?
 シュウは目の前の茅場のAIを光を失った瞳で見る。しかしもうそこには誰の姿もなかった。
 そして無機質に鳴り響くアナウンスが徐々に遠のいていくとともにシュウの意識は光の中へと溶けていった。


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 重く閉ざされた瞼を開ける。見知らぬ真っ白な天井が視界に映り込む。異常なほど重い身体を起こし、頭を触ろうとするが、何かがそれを邪魔する。

「あれ……?」

 その時、自分の視界映る手は、先ほどまでの光の刃は纏っておらず、肉などが削ぎ落とされたように皮と骨しか見えない。
 誰だこの身体は?
 頭が重い。考えが働かない。
 一度落ち着いてメニューウインドウでマップを開けば場所がわかるはずだ。
 誰ともわからない指を下へとフリップし、メニューウインドウを表示させる。
 しかし、それが出現することはなかった。
 バグか。
 今度はログアウトボタンだけじゃなくてメニューまで表示されなくなったのか。

「───とんだ、糞、ゲー……じゃ、ねぇー、か」

 声も自分のものに似ていたがかすれ掠れで酷い。

『ほら、いつまで夢を見てるの?』

 聞こえてきた優しい声にシュウの意識は覚醒する。

「……そう……だ……った……」

 今まで起きた出来事がまるで再上映されるように流れ込んでくる。
 茅場晶彦との対決。完全なる敗北。
 そしてSAOを解放へと導いた|英雄【キリト》とその最愛の人の死。
 力がほぼ入らない手で頭に覆う無機質な機械へと手を伸ばす。腕に何かが糸のようなものが引っ付いてくるがそれを無理矢理引き抜く。
 アラートのような音がなるがそんなこと知ったことではない。
 そして二年間、仮想という現実に閉じ込めた機械を外した。見た目はもうボロボロで傷だらけだ。シュウが知っている姿からはかけ離れていた。そして骨と皮しかない手でナーヴギアを殴りつけた。

「……クッソ」




 二〇二四年十一月七日……鉄の檻《浮遊城アインクラッド》に閉じ込められたプレイヤーたちの長い戦いがその日終わりを告げたのだった。
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