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ソードアート・オンライン 〜槍剣使いの能力共有〜《修正版》
SAO編ーアインクラッドー
13.世界の終焉
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持ち手には、一切の装飾がなく刃先が湾曲し、赤黒い鎌のような形状をしている槍。多くの命を奪ってきた死の槍。
それこそがおよそ四千人のいのちを奪ったこいつの命を狩りとるふさわしい。
死の槍を握り締める。
後は絶対なるこの世界の力に抗うだけだ。
───あいつらができたんだ。俺がやらないわけにはいかない!
意識が研ぎ澄まされていく。たった一点へと。
動くのは右腕だけで充分。
「うおぉぉぉぉ!!」
雄叫びとともに腕が一瞬軽くなるのを感じた。
そしてシュウはありったけの力を込めて死の槍を茅場の首めがけて振りかざした。
驚愕の表情を浮かべる茅場。後は、死神の鎌がこいつのHPを奪い去るのを信じるだけだ。確率はそこまで高くはない。
だが、皆が繋いでくれたチャンスだ。死神であるシュウがその罪を滅ぼせるかもしれない最後のチャンスなんだ。
「これで終わりだ!!」
ありったけの叫びとともに鎌が茅場の首を跳ね飛ばした。それとともにシュウは無理な体勢からの攻撃によって倒れる。
だが、これで終わった。全てが終わった……はずだった。
シュウの目の前には赤と白の鎧を着た騎士が平然と立っていた。そのHPはレッドゾーンに突入してはいるがまだ健在だった。
つまりシュウは失敗したのだ。
振り下ろされる長剣。一秒が何倍にも引き伸ばされたような感覚。見えていてもいくらゆっくりだとしてもこの攻撃は避けられない。
───やっぱり無理だったか。
しかし、なぜかシュウには後悔はなかった。全力を使った。あいつらに助けてもらった。否定していたはずの力も使った。
それでも茅場には届かなかった。
完全な敗北。
もうシュウにやれることはない。
もし、もしもそれが可能なば死の間際にもう一度だけ、みんなにちゃんとお礼を言っておけばよかった。
長剣がシュウへと振り下ろされた。
しかしくるはずの痛みが訪れることはなかった。
「ここまでのようだな」
その代わりに茅場満足したような声が聞こえた。
何を言っているのかわからなかった。しかし眼の前の茅場の視線を向ける方向を見てその理由を理解した。
少し遠く。黒の剣士と聖騎士が戦っていた。しかし、それは今や静かになっていた。
二人の身体には互いの腹部にそれぞれの剣が突き刺さっている。しかし、キリトのHPは既に全損している。だが、彼はそこに立っている。そして茅場を倒そうとシステムに抗っていた。
そして茅場のHPが無くなると同時に二人の身体は光のオブジェクトの欠片になり、この世界から消滅する。
「キリ……と……」
手を伸ばす。届かない。助けられない。声すらあげられなかった。
そして響き渡る機械音のアナウンス。
『十一月七
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