旧校舎のディアボロス
シスターとはぐれ悪魔
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「どうした? いつも以上に元気がないじゃんか。また破談でもしたのか」
「そうなんだ。実はな・・・」
何時もより低い声で話してくれた。
昨日の依頼者との契約が破談。しかも依頼者が筋骨隆々の大漢で、ゴスロリ衣装を着込んでいたと言う。魔法少女にしてほしいと言う内容であったが、不可能だった。
「・・それで、朝方まで一緒にDVDを鑑賞。で、今に至ると」
コクリと頷く。
そして、アンケートには『楽しかったにょ。また悪魔さんと一緒にDVDを見たいにょ』と賛辞を貰っていた。
何か哀れに思えてきたな。
「はわぅ!?」
その時、突然声が聞こえ同時にボスンと路面に何かが転がる音が聞こえた。
振り向くと、そこにシスターが手を大きく広げ、顔面から突っ伏している間抜けな転び方だ。
「だ、大丈夫ッスか?」
一誠はシスターへ駆け寄り、起き上がれるように手を差し出した。
「あうぅ。何で転んでしまうんでしょうか・・・ああ、すみません。ありがとうございますぅぅ」
若いな・・俺たちと同年代か?
一誠が手を引いて起き上がらせる。
-ふわッ-
風が吹き、シスターのヴェールが飛んでいく。
ヴェールの中で束ねていた金色の長髪がこぼれ、露になる。夕日に照らされて光っていた。
そしてグリーン色の双眸がこちらを見てくる。綺麗な金色の髪だな。
俺と一誠とシスターは無言でいた。
「あ、あの・・・どうしたんですか?」
訝しげな表情で首をかしげ聞いてくる。
「あっ。ゴメン。えっと・・・」
「ほいヴェール
「あ、ありがとうございます」
一誠が上手く話せないようなので俺はヴェールを手渡す。
「旅行か?」
「いえ、違うんです。実はこの町の教会に今日赴任することになりまして・・・お二人もこの町の方なのですね。これからよろしくお願いします」
丁寧にお辞儀をする彼女。
今時シスターが赴任なんてするもんだな。
「それで・・・あの、道に迷って困っているんです」
両手の人差し指を合わせ、恥ずかしそうに言う。
結局、俺と一誠はシスターを教会への道案内をすることにした。途中公園の前を横切る。
「うわぁぁぁぁん」
その時、子供の泣き声が聞こえてきた。見ると公園内で男の子が膝を擦りむいてケガをしていた。
「大丈夫、よしくん」
母親がいるから大丈夫だろうかと思っていたが、それを見たシスターが子供に歩み寄る。
「男の子ならこのぐらいのケガで泣いてはダメですよ」
頭を優しく撫で、両手をケガを負った膝へ当てる。
次の瞬間、シスターの手のひらから淡い緑色の光が発せられ、子供の膝を照らし出す。
何だあれ? ・・・まさか神器か?
見れば、子供のケガは消え去っていき
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