1st season
5th night
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「も、もうみなとみらい線です!前に出ないと……」
横羽からみなとみらい線へ接続されると車線が一気に開ける。その瞬間を待っていたとばかりに咆哮を上げ、真紅の跳ね馬が遠ざかっていく。
「それが切り札か、まだ若馬だな」
オペレーションパターン3、みなとみらい線用ハイパワーセッティングに変更。雰囲気猛々しく、R35が猛追を始める。
「っ………!?」
慌てたのはフェラーリの方だった。パワーで勝ると思っていたのに、みなとみらい線で距離を詰められている。
「モータースポーツの世界、とりわけこの首都高というステージにおいてパワーは何よりも重要だ。だが、それを生かせなければ何の意味もない」
「す、凄いですね……」
F40がブロックしようと車体を揺らすが、Rはフェラーリより速く車線を刻んでいた。たちまち横に並び、じわじわと前に出ていく。
「これが出来るのがこのRだ、ほかのマシンじゃいくつものセッティング幅を作れない。その気になればC1用だって組める」
そして、不幸にもF40の前には一般車がいる。アクセルを緩めたら一瞬で置き去り、しかし緩めなければ事故という二者択一を強いられた。
「もちろん、こういう汎用型は本当に特化したマシンには劣る。だがその差をここまで詰められた」
「なるほど…」
「最大限の効率を引き出す余裕、それがこのマシンの武器だ」
そして、戦意を失った跳ね馬はゆっくりと後退していく。
数刻後、彼らは適当に止めたPAで煙草を燻らす。新人スタッフが「老兵」に尋ねた。
「あの……『D』って知ってますか?」
「よく聞かれるよ、18年前の伝説だろう?何も知らないんだがね」
「そう……なんですか?」
「その時私はまだ業界に居なかったからね、あまり興味も無い。ただ……」
煙草を踏み消し、灰皿に落としてマシンを見据える。
「R4Aの看板を付けて走ってる以上、売られた喧嘩は買わなきゃならない。生半可な伝説なら撃墜するだけだ」
赫い重戦闘機はその身を静かに伏せ、次の獲物を待ち構えていた。
同じころ、グレーラビットがC1外回りを流していると、一台の車がパッシングしてくる。
「Passing……この時間に、こんな車にわざわざ絡んでくる……Battleの合図……」
グレーラビットがハザードを返すと、横に並んだのは深紫のロータスエリーゼ。二台ともギアを落とし、臨戦態勢に入る。
「……どこからでも踏めばいい。逃げる気はしないし、逃がしもしないさ……」
江戸橋を直進し、9号線へと入ると二台とも全開。エリーゼが先行するが、グレーラビットもぴったりと張り付く。
「ふぅん……そっちでいいのか?そんなMachine
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