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リリなのinボクらの太陽サーガ
生存のエスケープ
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の体力は毒の影響もあってガリガリ削られていた。視界もぼやけて全身に激痛が走りだし、麻痺の影響もあって感覚がおかしくなってきているけど、とにかく私の体力が残っているうちにできるだけ距離を稼ごうと足掻いた。

「いいね、逃げる獲物を追い詰めるのも乙って奴だ!」

巨大な翼をはためかせて、フレスベルグは私の追跡を開始した。大通りに入った私はそのまま道路の上を走り、後ろからフレスベルグの羽飛ばし攻撃を軸線をずらすことで回避、速度を落とさずに逃げ続ける。

前方右折! 左折! バスターミナルなんて回ってる余裕はない! 踏切ではない線路もジャンプして無理やり駆け抜ける! だが、流石にそんな激しい動きを連続でしたら、当然体力の消耗もとんでもないことになり、ついに限界に達してしまった私は左右もわからないぐらい意識が朦朧とし、傍のガードレールに倒れるように寄りかかった。

「どうした、もう追いかけっこは終わりか?」

「ぜぇ、ぜぇ……ぐ、ゴホッ……ハァ、ハァ……!」

「返事すらできないほどに衰弱したか。まぁここまで逃げられただけ頑張った方だ。オレサマも良い運動になったし、美味しく味合わせてもらうとしよう……!」

そう言って大きく口を開けて迫ってきたフレスベルグを前にして、私は残った気力を精いっぱい振り絞って高周波ブレードを振るい、近くにあった街灯の柱を切断した。そして火花を散らせて倒れた街灯はフレスベルグの上から衝突、感電させた。

「ギャギャギャギャギャッ!? ま、まさか!? その状態で反撃してくるとは……!」

一時的に動けなくなったフレスベルグが驚嘆の声を上げるが、そんなことは気にも介さず……というか、もうほとんど無意識状態となっている私は唯一機能している生存本能に従って地面を這いながら、狭い路地裏の方に逃走を再開した。

「悪くない手だ。確かに狭い場所に入られると、オレサマの図体では入れない。だがな―――!」

「そこまでだよ、フレスベルグ! これ以上、街の中で好き勝手はさせない! フォトンランサー・ファランクスシフト!!」

「くそっ、獲物を追い詰めたつもりがこっちも追いつかれてたか! 仕方ない、メインディッシュをお預けにされた代わりにオマエを喰ってやる!」

必死に逃げていたら後ろの方で黄色い魔力弾が着弾し、フレスベルグもそっちに意識を向けてくれた。どうやら駆けつけた魔導師がフレスベルグと交戦し始めたらしい。でも、私の意識は……もう限界だった。

「君は……!? お、おい、大丈夫か! しっかりするんだ!」

路地裏を這いながら進んだ私はついに体力も精神力も尽きて微動だに出来なくなり、オレンジ色の髪の青年(ティーダ・ランスター)が必死に呼びかけてくる光景を見ながら眠るように意識を失った。



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