0036話『提督の心の行方』
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命令は願ったり叶ったりだったのかもしれない。
大本営自身は電文でこう言ってくれた。
『榛名提督…。君にはつらい戦いを強いると思う。
我々も君に無茶な注文を押し付けていると思っている。
だが、この世界の提督達の視線までは我々だけではすべて管理できない。
力不足を痛感させてもらったよ。
しかし、もし榛名提督がこの作戦を無事乗り切れたら我々も君に対しての疑惑の数々を払拭できるように尽力しよう。
君の努力が実を結ぶように提督達を説得して回る。
ふがいない我々だが君の、君達の勝利を祈っている。頑張ってくれ』
という内容が送られてきた時は少しばかり目頭が熱くなったのを感じた。
大本営にここまで言われてしまっては私ももう引き下がれないという思いを実感できた。
この内容を知っているのは電文を確認している大淀と私、そして榛名だけだ。
みんなにはこの作戦が終わったらこの内容を公開しようと思っている。
それで全員が大本営に感じているだろうしこりを取り除くことは全部は出来ないだろうけど、大本営の人達も人間だ。
だから手を出せる範囲も限られてくるのは仕方がない事だ。
だから話は戻ってくるけど私は戦う覚悟を決めた。
それで最終作戦の編成を発表する前に私はとある艦娘を執務室へと呼んだ。
彼女はしばらくして執務室へと顔を出してきた。
そこにはビッグ7の一角である長門の姿があった。
「提督よ。私だけを執務室に呼ぶのはなにか大事な用事か…?」
「ああ。長門、私が出撃している間だが提督代理としてこの鎮守府を管理してもらっていいか…?」
「わ、私がか…? しかし…」
そこで長門の表情は困惑に彩られる。
「わかっている。長門の気持ちも理解していると思うがあえて言わせてくれ。
もし私がいない間にこの鎮守府が襲撃にあう事があったら、いの一番に頼りになるのは連合艦隊旗艦の経験がある長門だけなんだ」
「……………」
それで長門は真剣な表情で無言で私の話を聞いてくれていた。
今はありがたいという思いを抱きながらも、
「だから頼りにさせてもらってもいいか…? こんな事を頼めるのは私の中で長門しか思いつかなかったんだ」
それで長門はしばらく黙り込んでいた後に、
「…わかった。提督よ、この長門に任せてくれ。鎮守府の守りはこの長門が引き受けた」
「頼んだぞ。私もきっと無事に帰ってくることを約束しよう」
「分かっているさ。提督ならみんなを悲しませることはしない人だと理解している。だから…榛名」
長門が榛名を呼んだ。
それで榛名が透明な姿で出てくる。
《はい。なんでしょうか、長門さん?》
「言いたいことは分かっているのだろう…? 提督の事は必ずお前が守るんだ」
《分かっています。そして提督を守
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