趣味レート事件
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なことはできん!!あぁ!!俺はどうすればいいのだ!!」
ワーレンは頭を抱えてしまった。
「あ〜〜、確かにワーレンって・・・・無趣味?」
ティアナがバーバラに尋ねた。
「まぁ、そう、そうね・・・。無趣味?なのかな。フィオーナ。」
「わ、私に振る!?そ、そ、そうね・・・・あまり聞いたことはないかな、ミュラー。」
「おい!!あ、まぁ、そうだね、うん。なんというか、その、ワーレン提督は軍務に精励していること自体が趣味というか・・・・ある意味ローエングラム公と相通じるところがあるというか・・・・。」
「それではダメなのだ!!」
ワーレンが頭を振りながらうめく。
「おい、だったらこうしたらどうだ?俺にいい考えがある。」
ビッテンフェルトが身を乗り出して提案した。
「なんだ?またロクでもないことを思いついたんだろう。まぁ、良いから言ってみろ。」
ケンプが促す。
「趣味がないならば、この中の人間の趣味を学べばよいではないか!趣味なんぞ構えていたってできんぞ。要はちょっとしたきっかけがあればいいのだ。そこで意気投合し、自分に合った趣味が見つかればものにしてしまえばよいのだ。」
「そううまくいくものかな。」
と、ミッターマイヤーがロイエンタールとアイゼナッハに尋ねたが、一方は口元をゆがめ、一方は肩をすくめるだけだった。
「なるほど!!」
急に顔を上げたワーレンが何度もうなずいている。
「そうだった!くよくよ悩むよりもまずは実践してみることが肝要だな。いや卿に学ぶ時が来るとは思わなかった。感謝するぞ、ビッテンフェルト。」
「そうだろう!よし、そうと決まれば善は急げだ。皆でワーレンの息子に恥をかかせないように尽力しようではないか!困ったときは村八分!!」
諸提督は今度こそ微妙な顔になり、ついで互いの顔を見た。「誰かこのイノシシ野郎に言ってやってくれ。」というメッセージがどの提督の顔にも出ている。
「それ違うから!!!」
堪り兼ねたティアナがついに叫んだ。
翌日――。
軍務を終えた一行はトップバッターであるメックリンガーの邸に行くことになった。
「なんといってもメックリンガーは芸術提督だからな。趣味の幅が広い。存外ここで決まるんじゃないか?絵画だろ?音楽だろ?後は何があったかな?」
急にビッテンフェルトから話を振られたティアナが、
「え?ええと・・・絵画でしょ、音楽でしょ、絵画でしょ・・・音楽・・絵画・・。」
「花占いじゃないんだから。」
親友を窘めたフィオーナが、
「他にも古代の英雄に関する蔵書の研究、ストラディバリウスの収集、帝国アカデミーの会員、前衛オペラの戯曲の作曲などを行っているそうですよ。この前もウェストパーレ男爵夫人のご支援で帝都のオペラハウスの一つで提督の戯曲が上演されましたよね。」
と、フォローした。
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