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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第558話】
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そろそろ戻ろうかな」

「えっ!?」


 楽しい時間の唐突な終わりに、刀奈は大きく反応してしまった。

 だが、刀奈自身も時間が時間というのも時計を見て気付いてしまった。

 だけど――またいつ二人っきりでこうした時間が生まれるかわからない。

 立ち上がろうとするヒルトの袖口を咄嗟に掴み、刀奈は――。


「ま、待って!」

「え?」


 袖口を掴まれ、振り向くヒルト。

 刀奈はそんなヒルトの顔を見ると言葉が出なく、徐々に赤面していった。


「ヒルト……くんっ!」

「え――おわっ!?」


 そのまま立ち上がるとギュッと背中に腕を回して刀奈はヒルトに抱きついた――そして。


「ま、まだ……一緒に居たいの……っ」

「え? ……了解です、刀奈」


 頭の上からそんな優しい言葉が下りてきて、思わず表情が崩れる刀奈。

 同時に、この間ヤキモチ妬いた事に対して怒った事を謝る絶好の機会だと思い――。


「ヒルトくん……この間はごめんなさい。 冷たくしちゃって……」

「え? ……全然気にしてないですよ? 俺ってアホだから寝たら忘れるんですよ」


 不意にヒルトの手が刀奈の髪に触れ、優しく撫で始めた。

 子供扱いされてる――昔ならそう思ったが今は好きな男の子にこうされるのも心地いいなと思ってしまった。

 暫くそのままの状態が続き、気付くと寝息をたてる刀奈にヒルトは――。


「……やっぱり疲れてるんですね。 国家代表で学園生徒会長……後は更識家当主の重荷。 ……今はゆっくり休んでください」


 そう呟くとヒルトはミステリアス・レイディを待機形態へと戻し、背中に彼女をおぶると二年生寮へと送り届けたのだった。
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