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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第八十八話 これが両雄の初対決になるでしょうか。(その1)
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て、互いの表面に激突した。
「第一次砲撃、敵要塞表面相対左地点FZ875に命中!!」
「ワーレン!!」
ミッターマイヤーが声を上げる。それがなくともワーレン艦隊は既に行動を開始していた。敢えて前進を開始して射程距離をかすめるようにして敵艦隊前面に立ちはだかったのである。
「これは!?」
第十六艦隊を指揮するティファニーは敵の意図を測り兼ねた。突如敵の左翼が前進し主砲の射程外から強烈な砲撃を仕掛けてきたのである。応戦をしようにも、先ほどのイゼルローン要塞からの砲撃は味方の右翼をかすめる格好になったため、陣形が左寄りになってしまっている。それはすなわち――。
『第十六艦隊は元の配置に戻れ!!』
アーレ・ハイネセンからの指令、いや、叱咤が届く。
『艦隊が邪魔だ!!これではインドラ・アローを撃てないではないか!!』
第十六艦隊はアーレ・ハイネセンの前面に展開させられてしまっていたのである。
* * * * *
極低周波端末を使用した電子戦略会議をシャロン、アンジェ、カトレーナの三人が行っている。
「イーリス作戦の『発動』ですわね。」
カトレーナが微笑みながら言う。それにシャロンも微笑をもって応えながら、
「既に各艦隊の準備は完了しているわ。イーリス作戦についてはその知名度は既に同盟中に広がっている。まさに予定通りというわけね。」
シャロンの言う「予定通り」にはもう一つの要素が含まれている。対外的な軍事行動以外にも、各地各界で「シャロン派」をはぐくんできたここ数年間がいよいよその成果を結実させようとしていた。
「カトレーナ。」
「はい、閣下。」
カトレーナはにっこり笑って見せながら、
「既に準備はできておりますわ。」
と簡潔に述べた。
「ご苦労。後は生贄の羊とそれを捌くための祭壇の準備はこちらが動かなくとも彼らがやってくれる。・・・・本当の生贄になるのは誰か、それを知らないで。本当におめでたい連中だこと。」
シャロンの微笑が濃くなった。
「その生贄の祭壇が完成し、捧げものが登壇した瞬間から、自由惑星同盟のすべてが変わるわ。」
「その時こそが、いよいよ閣下のお力が十全に発揮される瞬間となることでしょう。」
カトレーナが夢見る様な瞳をしている。彼女には今、その瞬間が見えているらしい。
「前線の戦闘状況はあまりよろしくはないようですが。」
アンジェだけが生真面目な顔をしていた。カトレーナの瞳から夢見る色が失せたが、シャロンの微笑は変わらない。
「構わないわ。極論を言えば前線の艦隊、そしてアーレ・ハイネセンすらも全滅しても構わない。既に例の計画もほぼ完成に近づいてきたことだし、それが完成すれば前線の損害を補って余りあるわ。」
「ティファニーを切り捨てると?」
今のシャロン発言の底に潜むものを感じ取った
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