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=USJ襲撃編= ヘイトセレクト
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……しかし、あの男の意識は水落石くんに逸れている。不本意ですが今なら……飯田くん!!」

 13号さん、その判断はつらかったろうと思うがナイスだ。

「仲間を囮に使うようで業腹だが……くそぅ!!」

 瞬間、飯田の俊足が俺と黒霧を迂回してUSJ出口に向かう。オールマイトを呼びに行く気だろう。原作で飯田を援護した連中も黒霧を警戒する。

 あちらは外に助けを呼ばれたら事態が外に知れるため、是が非でも飯田を外に出したくない筈だ。その瞬間にこちらへの気が一瞬逸れる筈。あとは援護脱出なんでもござれだ。そろそろ黒霧の弱点である胸のプレートに攻撃するべきか――と思っていた俺だが、そこでおかしいことに気付く。

「………ふむ、抜けられましたか」

 黒霧が動かない。

「てめぇ、仲間を呼ばれたらアウトな状況で随分呑気な……?―――ッ!!」

 瞬間、眼球の裏に未来が映し出され、俺は瞬時に背後に飛ぶと同時に十手を使い高跳びの要領で上に飛ぶ。視てしまった、この場に留まった自分が迎える最低の末路を。

「くそっ、間に合わな……ーー!?」

 瞬間、俺の頭上から膨大な質量の『巨大な岩石の雪崩』が次々に降り注いだ。

 ズドドドドドドドォッ!!!と凄まじい崩落音が響く。人間が下にいれば間違いなく全身を砕かれて死に至る即死技。さっきまで周囲を取り囲み続けていた靄は、恐らくは上方からの本命攻撃を取っておくためのパフォーマンスだ。

 死を連想させる光景ーー岩雪崩の中に姿を消した同級生。壮絶な光景を前に皆が絶句するなか、芦戸の悲痛な叫び声が響いた。

「たっくん死んじゃヤダぁぁぁぁ〜〜〜〜〜ッ!!」
「たっくんはやめいと言ってるだろが!!生きてるよ!!はぁ……っ、はぁ……っ、ガキ相手に本気で殺す気かよ……ッ!!」

 どうやらたっくん呼びは生存フラグらしい。辛うじて岩の密度的に攻撃の逸れるコース取りをしていたのが幸いして、岩が足先にカスっただけできっちり生き延びることが出来た。すぐさま岩を離れると、黒霧は落下してきた岩の上から静かにこちらを見下ろしていた。

 これが、黒霧の本気――あるいはその片鱗。
 不意から致死へ、唐突な死の宣告を下す者。

 ――これが、本物の『(ヴィラン)』。

「逃げられぬよう霧で囲っての不意打ちで仕留める腹積もりだったのですが、これも躱しますか………本当に、子供にしては過ぎた判断力だ。いや、そういう個性かな?」
「いやぁ、俺って天才なんで。未来のスーパーヒーローなんで?あんたの作戦くらい目ぇ瞑ってても避けきれるし?」
「個性不明のアドバンテージを持続させるために敢えて挑発的な多弁を用いていますね?」
「正解!いやーバレバレか……本当、嫌な奴に目ぇ付けられたよ」

 死にか
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