暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン 〜槍剣使いの能力共有〜《修正版》
SAO編ーアインクラッドー
11.虚言と死神
[3/10]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
道を引き返している道中。
 一通のメッセージが入ってきた。アスナからだ。

【キリト君たちが訓練で今、五十五層の迷宮区に行ってるんだけどシュウ君は最前線ですか?】

 なぜ、シュウの安否確認のはずなのにキリトの情報が入っているのかは疑問だが【そうだよ】とだけの短文だけ返信する。
 最近のあの二人のいちゃつきぶりはなかなかのものだ。あれで付き合ってないとかどうなってんだよ。
 今度キリトにあったら本気で説教だな。
 すると金属同士がぶつかり合う音が遠くの方から鳴り響いた。
 どうやら誰かがモンスターと戦闘をしているようだ。
 他のプレイヤーが戦闘中に手を出すのは基本的にマナー違反なので軽く挨拶だけして通り過ぎようとした。

「クッ……!」

 フィールドの中央付近、顔から体まで覆う大きなマントをまとったプレイヤーが一人で甲冑を身に纏った騎士と戦闘していた。
 だが、太刀筋はどこか不安定でまるで初めて戦うように見えた。
 最前線にソロで挑むってことは相当な自身がなければ行わない行動だ。しかし、あのプレイヤーからはそんな感じがしない。
 すると騎士のソードスキルによってマントのプレイヤーの身体が吹き飛ばされる。

「おい、まじか!?」

 シュウはすぐさま背中から片手剣を抜き取り、追撃を行おうとする騎士とプレイヤーの間に割り込んだ。

「あんた、何やってんだよ! そんなんで最前線に来るって死ぬ気か!」

 するとマントのプレイヤーはシュウを見ると小さく何かを呟いている。

「……けた」

 しかし小さすぎてその言葉は届かない。
 騎士がソードスキルモーションにはいる。

「クソッ……!」

 剣が閃光を帯び始めるその瞬間、シュウは動く。相手がソードスキルを放つ寸前にこちらの片手剣が赤い光芒を放ちジェットエンジンのような起動音が鳴り響く。
 ───片手剣重単発技《ヴォーパルストライク》
 騎士はソードスキルを放つ前に後方へと大きく吹き飛ばされる。
 技後硬直が起きる寸前にシュウは背中から片手槍を抜き、担ぎ上げるモーションへと無理やり持っていく。ギリギリのタイミングで起動した。
 槍は真紅の光を放つ。それをバランスを崩している騎士めがけて投げつける。
 ───槍投撃技《レイヴァテイン》
 避けることもできない騎士の胸の中心直撃し、貫通する。そして光のカケラとなって騎士は爆散した。
 膝に手を置いて乱れた息を整える。
 瞬時の判断とタイミングで動かなければいけないソードスキル同士を繋ぐのは、一連の連続攻撃を行うだけでも疲れる。

「あんた、大丈夫か……」

「は、はい……ありがとうございます」

 マントから色素が薄い長い髪が垂れている。
 声からしても女性のようだ。


[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ