最終章:夢を追い続けて
第48話「“対話”」
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てしまったからこそ、無闇に慰める事はできないと、秋十は理解した。
「千冬姉に任された手前悪いが、俺が傍にいても意味がない。ここはマドカと簪に任せるよ。女性同士の方がいくらか気分はマシだろう。」
「秋兄はどうするの?」
「千冬姉と一緒に、皆を手助けしてみる。」
自分にできる事をやる。そう言って秋十は千冬達の方へと行った。
「....“説得”と言われても、何をすれば...。」
「まぁ、一重にそう言われてもわからないよな。」
「あ、秋十!?いつの間に...。」
まず手始めに、秋十は箒の所へと生き、手助けする事にした。
「箒はこういうのは苦手そうだからな。」
「む...確かにそうだが...。」
「そこまで難しく考えなくていいぞ。...箒、お前は紅椿を以って何を為したい?それをありのまま伝えればいいんだ。後は、共に歩んで、羽ばたいてくれるかだ。」
「何を為したいか....か。」
そう呟くと、箒は少し考え込んでから、紅椿に手を当てて語り始めた。
「...私は、始めの頃はISと姉さんを少なからず恨んでいた。普通に過ごしていた私たちが、バラバラになってしまったからな。...だが、最近になって気づいたんだ。姉さんも、未来と夢を壊された側なんだと。」
「箒...。」
“兵器”として扱われた...その結果、束は行きたかった宇宙に行けなくなった。
箒は、遅まきながらもそれを理解したのだ。
「そして、姉さんは今、世界を敵に回してでもその夢を強引に成し遂げようとしている...。...それだけは止めたい。」
「.......。」
「“無理矢理”はダメなんだ...!そんな事をしては、ますます私と姉さんは離れてしまう...!まだまだ姉妹らしい事も出来ていないのに...!」
秋十やマドカ、千冬を見て、箒は少なからず兄妹や姉妹と言った関係に憧れていた。
しかし、ISが出来てからは束とそれらしい関係になれていなかった。
だからこそ、さらに離れ離れになるのは嫌だと、箒は言ったのだ。
「私は...共に歩みたい!姉さんと、秋十と...皆と!だから、力を貸してほしい...!」
それは、転校続きで孤独だった箒の、心からの願いだった。
しかして、それを聞き届けた紅椿は....。
【...その覚悟、しかと受け止めました。妹様の覚悟が曇らない限り、力となりましょう。】
「っ!?....!」
―――その想いに、応えた。
頭に声が響いたかと思えば、次の瞬間、箒は紅椿を纏っていた。
「乗れ...た...?」
「やったな、箒。お前の想いが通じたらしい。」
“共に歩みたい”。その願いが紅椿を動かした
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