暁 〜小説投稿サイト〜
IS〜夢を追い求める者〜
最終章:夢を追い続けて
第48話「“対話”」
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未だにISを道具としての相棒として思っていないからだ。」

「道具として...ですか。」

 思い返してみれば、ISは飽くまで乗り物だと思っていたと、セシリアは呟く。

「お前たちは、ISにとって“乗り手”としては信頼に足るものの、“担い手”としては一つ欠けている。それが今言った事だ。先日束が言っていたように、ISは宇宙(そら)に羽ばたくための“翼”でしかない。」

「私たちの、無意識下におけるISに対する認識を変えろ...という訳ですか。」

「そう言う事になるな。」

 楯無の言葉を千冬は肯定する。
 だが、それは言葉にするのなら簡単だが、実際は難しい事だ。
 無意識下...それはただ意識して直そうとしても直せないものだ。

「何もすぐに変えろとか、宇宙に羽ばたく事を強制する訳ではない。道具として扱わず、“翼”や“相棒”として接するという覚悟を見せればいい。」

「覚悟...ですか。」

「まぁ、一言で言えば...お前たちは自分の専用機を“説得”しろ。それだけだ。」

 ISにも意志があり、それが搭乗者を拒むのならば...和解すればいい。
 そう言外に千冬は言った。

「秋十、マドカ。エーベルヴァインを頼む。私はあいつらを見ておく。」

「分かった、千冬姉。」

「...それにしても、今はプライベートになるの?普通に接してるけど...。」

「このような状況だ。気にしてられん。」

 精神的に不安定なユーリは秋十達に任せられ、千冬は他の者を見ておく事にした。

「ユーリ...大丈夫?」

「...大丈夫...です。IS学園が危ない事は分かっていますから、皆さんを信じましょう。」

「そうじゃなくて!ユーリは...ユーリ自身は大丈夫なのか聞いてるの!」

 普段の様子とは打って変わり、暗い雰囲気なユーリに簪はそういう。
 友人として、心配しているのだ。

「...やっぱり桜さんがいなくなった事が響いているか...。」

「それだけじゃないよ。桜さんが束さんと一緒に世界中に宣戦布告...つまり、どうであれ形式上、桜さんは私たちを“裏切った”事になる。それが一番の原因だろうね。」

「なるほどな...。」

 何か自分たちの知らない所で企んでいる。
 そうわかってはいるのだが、それでも“裏切られた”事にユーリは耐えられないのだと、秋十は納得する。

「...俺には励ます事は無理だな...。俺とユーリでは、桜さんに抱いている感情は似ているようで全然違う。」

「...そうだね...。」

 二人共桜に助けられた。
 だが、性別の違いが抱いた感情を別のベクトルへと派生させた。
 秋十とユーリ、“尊敬”と“恋心”では全く違うのだ。
 それが理解でき
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