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ソードアート・オンライン【Record of Swordmaster】
001:始まりの日、終わりの日
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こにしましょう。」

頷き、俺達は始まりの街を歩き出した。










「此処よ。」

ベル姉が案内してくれたのは成る程、いかにも穴場といった感じの武器屋だ。狭い店内を、さらに圧迫するかの様に武具が隙間なく並んでいる。

壁に掛けられた剣の刃は本物と遜色ない。心臓が跳ねるのが自分でも分かる。

「……レイ、無理しなくても………」

「いや……大丈夫だから。」

とは言うものの、全身に付きまとうのは恐怖。手に取ってしまえば、再び俺は人じゃなくなってしまいそうで。

呼吸が早くなる。心臓が耳元で鳴ってると思う位に大きく鼓動し、代謝を必要としないこの世界でも額には脂汗が玉となって浮かぶ。

そして、目の前の景色が歪み、これ以上は不味いと思ったその時、横合から声が掛けられる。

「一旦ストップ!そのぐらいにしときなさい。」

「ッ!?……ハァ…ハァ………ま、まさか……握ることも出来ないなんてね。」

現実だったら吐いていたかもしれない。見ているだけなら何の問題も無いが、いざ手を伸ばそうとしてもピクリとも動かなかった。

「……無理しないで、今日はここまでにしておきなさい。」

「…あ……うん、そうさせてもらうよ。」

ベル姉の気遣いに内心で礼を言いつつメインメニューを呼び出す。そして画面をスクロールしてログアウトボタンをーーーーー

「………あれ?」

「どうしたの?まさか、帰り方分かんない?」

「……いや、ログアウトボタンが………無い。」

「!?」

本来存在する筈の位置にログアウトボタンが存在しない。ベル姉も慌てて自分のメインメニューを確認するが、結果は同じな様だ。

「……バグかしら。でも、βじゃこんなこと一度も………」

「運営に問い合わせてみたら?」

「そうね………駄目、通じない。」

おかしい……開発元のアーガスにとってSAOは正に正念場の筈だ。そのサービス開始初日にこんな杜撰な対応があるか?

その時、唐突に大きな鐘の音が響いた。

リンゴーン……リンゴーン……リンゴーン……リンゴーン……………

「……システムアナウンスね。」

ベル姉が呟く。それでは、この問題について何かしらの説明があるのだろう。

と、思っていた矢先に、全身が蒼い光に包まれ、浮遊感に襲われるのだった。










「此処は……?」

「黒鉄宮……復活の広間ね。強制転移させられたんだわ。」

辺りを見回すと、広間を埋め尽くす人、人、ヒト。どうやらログインしている一万人弱が、全員集められたらしい。

中には「やっとかー」等と呟く人もおり、既にある程度の人間がこのログアウトボタンが無い事態に気付いて
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