暁 〜小説投稿サイト〜
【完結】戦艦榛名に憑依してしまった提督の話。
0032話『大本営の意思』
[2/3]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
けられないというのがほとんどの意見です」
「ふぅ…まったく困ったものだな。今は一つでも強い鎮守府が必要だというのに…。
勝手に内輪揉めを始めてしまったら深海棲艦はここぞという時に隙をついてくるぞ…?」
「はい。それで一つ考えがあるのですがよろしいですか、代表…?」
「なんだ? 言ってみたまえ」
「はい。榛名提督の事を信用してもらうためには今回の最終作戦では榛名提督自身が出撃するのもよいのではないでしょうか…?」

その役員の発言に代表は顔を顰めた。
当然だ。
今は艦娘として存在している榛名提督だがいざここでもし轟沈でもして鎮守府の運営がままならない事にまで至ったら残された艦娘達の牙の矛先は大本営の我々に向けられてしまうのだから。
だからその役員の発言を却下しようと思ったのだが、

「いいですか、代表。
ここで榛名提督が信用を得られなければいつまでも国が疑心暗鬼になってしまい運営がままならなくなっていまうのは必然です。
ならばここぞという場所で榛名提督の覚悟を見させてもらえれば他の提督達もおそらくは信用するでしょう」

その役員の言葉に代表は少し、いやかなり悩んでいるのは仕方がない事だ。
榛名提督は今は艦娘とはいえもとはただの人間だったのだ。
それでいざという時に人間という枠を超えた力を持ったからと言って深海棲艦と渡り合えるものなのかと…。
戦場に出て恐怖で棒立ちになってしまったらそれこそ信用など地に落ちてしまう。
しかし、逆転の発想ともいうべき今回の役員の提言は確かに効力を発揮すれば莫大な信用を足るに不足はない。

「…それは榛名提督には伝えるのかね?」
「伝えなければ話になりません。了承してくれるのを祈りましょう。国の存続のためにも」
「わかった…。至急柳葉大将に連絡を取って今回の話を榛名提督に伝えるように通達するのだ」
「了解しました」

それで役員たちは慌ただしく動き出し始める。
それを代表は静かに見守りながらも、

「(榛名提督…君には悪いが今回は君の覚悟を試させてもらうぞ)」

代表は心静かに榛名提督の無事を祈った。











大本営で話し合われた議題が柳葉大将へと伝わったのはそれからすぐの事だった。
贈られてきた電文を見て柳葉提督は思わず目を見開いた。
それで少し怒りを顕わにしながらも、しかし冷静に事を吟味して考えて、

「榛名提督が信用されるにはこれしかないというのか…やはり周りの目はきついものなのだろうな」

少しばかり落胆していた柳葉提督だったが、

「これを榛名提督に伝える任を儂に与えるとは、老骨を労わらないようだな。
だがそれも仕方あるまい。
まだ榛名提督はこれといって交友を持っているのは儂と久保少佐しかいないのだから
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ