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虚弱ゲーマーと似非弁護士の物語 −求めたのは力では無く−
Act6 鬼神の如し
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しかしその疑問は、たまたま見ていた一体の飛龍の真横に居たガーディアンで、直に解けたのです。
 飛龍に跨るドラグーン目掛けて、剣を振り降ろそうとするガーディアンの心臓部分と頭蓋部分の両方が、ほぼ同時に弓矢が突き刺さって消えて行ったのです。

 (弓矢!?)

 いつの間にか弓矢が突き刺さっていたので何所から来たかまでは見えませんでしたが、弓矢の刺さり方から予想出来る方へ眼を向けると、サラマンダーらしきプレイヤーを一人見つけました。

 「あの人は・・・?」
 「言ったでしょう?今度はうちの最終兵器も連れて来るって」
 「アリシャ・・・・・あっ!まさかあの人が!?」
 「そ、髪が赤いからよくサラマンダーに間違えられやすいし、此処からじゃ見えにくいかも知れないけど、猫耳も尻尾もちゃんとついてる、私達ケットシーの最終兵器――――《鬼神》ネームレスよ」

 アリシャが説明している最中も、彼女からネームレスと呼ばれた弓兵は精密さと高速の連射により、同盟軍の狙撃による後方支援を完璧に熟しています。
 敵味方の隙間を縫って、優先度の高いガーディアンを次々に確実に屠って行きます。
 時には同盟軍の最前線で剣を振るっている、キリトの援護射撃もしていました。

 「す、すごい!」
 「でしょ?」
 「ネームレス()がいるから私たちは大丈夫だ。リーファはキリト君の援護に向かってくれ」
 「うん!」

 サクヤの言葉に甘えてキリトの下へ向かうリーファ。

 「お兄ちゃん!」
 「スグか!後ろを頼む!」
 「任せて!」

 兄のキリトに背中を任せられたリーファは、自分の目の前から迫って来るガーディアンを切り伏せます。
 キリトの死角をリーファが、リーファの死角をキリトが補い合う様な連携を見せる2人の動きは、まるで踊っている様です。
 しかし調子が良すぎたのか、同盟軍の射程圏外まで上がって来た2人が見たのは自分達を覆う様に遠くから狙い定めている弓を番えている守護騎士たちの姿です。
 一度目にキリト単独で挑戦した時に殺された戦術です。
 如何やら一定以上の高さまで昇ると発動されるのでしょう。

 「お兄ちゃん!」
 「俺の傍から離れるなよ!」

 とは言ったものの、キリトはこの事態に何も対策を思い浮かんでいません。
 あの時気付いたのは数本の矢を受けてからでしたが、それでもとても捌き切れないと判断してゴリ押しの特攻に賭けたのです。それも失敗に終わりましたが。
 その2人の窮地を離れた空域の乱戦の中でサクヤが気付きます。

 「アレは不味いッ!?」
 「ヤバッッ!?」
 「俺に任せろ」

 2人の窮地に気付いて声を荒げた両領主の横を通り過ぎ、耳元にそんな言葉を残して急上昇する1人のプレイヤーがいました
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