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魔弾の王と戦姫〜獅子と黒竜の輪廻曲〜
外伝『魔弾と聖剣〜竜具を介して心に問う』―中章
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死なせるつもりは毛頭ないけどね――
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「戦姫様!これでは我々も黒船を索敵紛失(ロスト)してしまいます!」
「心配ない!その光明への航路は私が導く!」
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事実、霧がこちらを隠している以上、こちらも相手を見つけるのは困難なはずだ。もちろん、戦姫もそれは百も承知。いかなる手段であれ、姿が見えなくともこちらが敵の位置を掴んでいれば問題ないはずだ。
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(熱の『跳ね返り』で常に黒船の位置を把握できれば、黒船を見失うことは大きなハンデにはならないさ)
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そして、このままずっとまっすぐ進めと、総舵手に指示を出す。
これはバルグレンの力、竜の『髭』たる熱源探知だ。
遠くに離れていれば、『首長竜筒砲(アームストロング)』うかつに近寄れば、『蜂巣砲(ガトリングガン)
だが、その心配は杞憂におわり第2関門を突破する。
あとはこの『火炙り』で、黒船の蜂どもが大騒ぎを起こしてくれれば――
やがて黒船との遭遇接近(ランデブー)を果たし、マドウェイが現状を報告する。
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「戦姫様!黒船への『上陸』まで拾い数10!」
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先ほどまでなら、蜂の巣をつつかれたような騒ぎであった。にも関係なく冷静を務めて告げるマドウェイを見て、煌炎の戦姫は薄く笑みを浮かべる。不思議な頼りがいを、この部下に感じ取っている。
ただ激しい炎のような燃え上がる闘争心だけでは、勝利への道を照らすことはできず目を曇らせてしまう。時には彼のように『カンデラ』に比す落ち着いた火だって必要だ。
レグニーツァの指揮官は目前の黒船との距離と時間を推し量って即断した。もはや迷っている時間はない。
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「総員!黒船へ向けて全速全身!突撃せよ!」
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今ここに、専制接触を果たしたレグニーツァは、黒船のケツに火を焚きつける勢いで『上陸』していった。
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『同刻・オステローデ船団・艦首ブリッジ』
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レグニーツア旗艦であるこの船『甲胃魚号(ダスパリーバ)』は戦姫を戦線へ最大航速で送り込むための専用母艦である。
その性質の為、大きさこそ他の船とほぼ全長が同じであるが、戦闘乗組員の搭載能力は極端に低い。他の戦術運用もできるのだが、あくまで基本は戦姫専用船の為、武装のほうもそれほど高くない。
攻撃は基本的に頼るものがないが、全身に細工された穴部へ配備された『細矢』や『バリスタ』、『連弩』のおかげで迎撃能力は高い。武器軽量を図って総重量をできるだけ浮かせた結果の武装だ。
戦略級の戦闘力を誇る『戦姫』を迅速に敵軍の『急所』に運びこみ、戦局を一打で決定づける『勝利のカギ』として――
他艦と同列を組ませることはない為、レグニーツァ独自の運用が想定されている。
かの船の運用を見届けていたオステローデ主は、ついに自分たちが動く時だと判断する
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