新入部員
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、渋々ではあるがその意見に賛同することにした。
「では早速やってみましょう。柵も割りと高いですし、スペースも広いですからね」
「暴投だけはしちゃダメだよ!!」
「わぁ!!待って待って!!」
肩をグルグルと回して気合い十分な穂乃果とグローブを装着しパシパシと音を鳴らす海未。それに遅れて、ことりもグローブをハメ、キャッチボールの準備を整えた。
「それじゃ、行くよ!!海未ちゃん!!」
「いつでもどうぞ」
昔の投手のようなダイナミックなフォームから、白球を投げ込む。そのボールは狙った胸からは外れたが、昨日の悲惨なキャッチボールよりも確実にうまくなっていた。
「ナイスボールです!!穂乃果」
「すごい!!いいボールだったよ!!穂乃果ちゃん!!」
「えへへへへ/////」
昨日彼女たちは、天王寺にお願いして基礎的な投げ方、捕り方を学んだ。その成果か、昨日は全然できていなかったキャッチボールが、多少のエラーは見受けられるものの、少しずつ続けられるようになっていた。
「でも、なんで天王寺先生ってあんなに野球のこと知ってるのかな?」
「以前やっていたとか?」
「天王寺ってどこかで聞いたことある気がするんだよねぇ」
投げるだけ、捕るだけで精一杯だったはずの少女たちは、会話もできるほど余裕を持ってプレーできるようになっていた。そんな雰囲気の中しばしキャッチボールをしていると、屋上の扉がゆっくりと開いた。
「あの〜・・・」
声が聞こえ、三人はそちらの方を向く。そこにいたのは、オレンジ色のショートヘアの少女と、眼鏡をかけた茶髪の少女がいた。
「あ!!一年生だ!!」
「もしかして入部希望?」
その訪問者たちのリボンの色を見た彼女たちは、下級生であることに気が付くと、すぐさまキャッチボールを中断し彼女たちの元に駆けていく。
「は!!はい!!マネージャー希望の小泉花陽です!!」
「えぇ!?かよちん選手やらないの!?」
花陽の予想外の発言に隣にいた凛が驚愕する。
「かよちんも一緒に選手やろ!!ね?」
「でも・・・私運動できないし・・・」
彼女の野球好きを知っている凛が説得を試みるが、自信なさげな少女はなかなか首を縦に振らない。
「大丈夫だよ、花陽ちゃん」
「はい、私たちも素人みたいなものですし」
「それに人数も全然足りてないの。だから一緒に、選手としてやってくれるとうれしいなぁ」
まだまだ野球を始めて日が浅いという三人の先輩の言葉を聞いた花陽は、しばらく黙り込んだあと、彼女たちの顔を見回す。
「私・・・背も低いし、運動神経も悪いし、みんなに迷惑をかけちゃうかもしれません・・・」
「それでもいい!!一緒に練習して、うまくなろう!!」
さっと手を差し出す
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