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ソードアート・オンライン 〜槍剣使いの能力共有〜《修正版》
SAO編ーアインクラッドー
09.青眼の悪魔
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持ってるって知れたら」

「ネットゲーマーは嫉妬深いからな。俺は人間ができたらともかく、妬み嫉みは、そりゃぁ。まぁ、苦労も修行の道だと思って頑張りたまえ」

「……勝手なことを」

「転移門のアクティベートお前が行くか?」

 クラインが立ち上がる。

「いや、任せるよ。俺はもうヘトヘトだ」

「それじゃあ、気をつけて帰れよ」

 クラインは、シュウを無理やり引っ張り上げる。

「ちょ、何すんだよ!」

「お前にはまだ話があるからな」

 ほとんど連行されるような形で次の層へと続く階段へと向かわされる。
 そしてその中腹くらいで止まる。

「なんだよ、話って?」

 するとクラインは辺りをキョロキョロして誰もいないのを確認する。そしてそこから一拍間を開けてから口を開いた。

「お前がそのスキルを隠してた理由って……やっぱり……」

「……違ェよ」

 そうきっぱり言い切った。
 本心は分かっていた。クラインが言いたいことも本当は、それが理由で《手刀術》の存在を隠していたことも。
 そもそもシュウは、《手刀術》を手に入れるべき器ではない。これだけ圧倒的な力を持つユニークスキル。それはこの鉄の牢獄を攻略するために与えられるはずの力なはずだ。それはすなわちこの世界に閉じ込められたプレイヤーたちを救う英雄でなければならない。
 しかし、シュウはとっくの昔にそんな資格は失っているのだから……

「ならいいんだけどよ。あんまり背負い込んでるようなら俺とかに愚痴ってもらってもいいからよ。なったって俺は人生の先輩なんだからな」

 大きく笑うクラインにつられてシュウもバカバカしくなって笑みを浮かべる。

「……そうだな。困った時は相談させてもらうよ」


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 二〇二四年十月十九日 第五十層・アルゲード

「軍の大部隊を全滅させた青い悪魔。それを撃破した二刀流使いの五十連撃。こりゃずいぶん大きく出たもんだな」

 エギルは笑いながら言う。

「尾ひれがつくにもほどがある。その所為で朝から剣士やら情報屋に押しかけられて寝ぐらにもいられなくなったんだからな。てか、なんでシュウのことはかかれないんだよ」

「そりゃ、最後のとどめをお前がさしたからじゃねぇのか? 俺としてはプレイヤーたちに広まらなくてラッキーだけどな」

 幸いなことにキリトの《二刀流》の事はかかれたがシュウの《手刀術》については一切触れられていない。そのため今日も平凡な朝を迎えられて何よりだ。

「そりゃぁ、あんたの自業自得なんじゃないの? アタシ達だけの秘密だって言ったのをバラしちゃったんだからね」

 エギルの店に来ていたリズがいたずらするよ
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