1st season
4th night
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4AのR35。アレと戦えるマシンなら用意してやれるぜ?」
「え?本当ですか!?」
「ああ。奴なら、何か知ってるかも知れねぇ。俺が以前奴の店に行ったときは知らねぇの一点張りだったが、あれだけ速い奴がいるんだ。何も情報がねぇなんてことはねぇだろうさ」
「なら、その車に勝てば……」
「もしかするかもな。ただし相当なじゃじゃ馬に仕上がる。腕のない奴が乗ったら一瞬でオシャカになっちまうほどの、な」
そう言い放ったオーナーの表情は厳しい。それもそのはず、現役でみなとみらいエリアにおけるトップクラスと闘うとなると、彼自身にも相当の覚悟で車を作らなくてはならない。生半可なドライバーに託せる代物ではないのだ。
「それでも、今のXK8よりは速い、違いますか?」
しかし、それを聞いた青年は不敵な笑みを浮かべる。どこまでも食らいついていこうとする、野獣のような眼光を携えながら。
「当然だ。乗りこなせれば、が枕詞につくがね。興味はあるか?」
「もちろん。ベースはなんです?」
「イギリス好きのお前さんにはピッタリのマシンだよ。だがその前に、お前さんにはソレに乗るためにやってもらうことがあるがね。すぐに出来上がるもんでもないし、まぁそれまでのレベルアップも兼ねて、な。ついてこい」
それだけ言うと彼はガレージへと向かう。残った中身を飲み干した青年は、空き缶をゴミ箱へと放り込むと、急ぎ足でオーナーの横へと並んだ。
その夜。今夜もC1を外回りでランデブー走行をしているエボXとインプ22B。心なしか以前よりペースが上がっているようにも見受けられる。現在は銀座の分岐路をクルーズ速度で通過中だ。
「このところ、何かと出会うたびに負けっぱなしだからな……そろそろチームの外でも勝ち星が欲しいところなんだ」
そんな彼らに、一台の車がパッシングを仕掛けてくる。挑まれたバトルであり、車の動きからも殺気じみたやる気が溢れる彼らに、もはや逃げの選択肢は存在しない。
「今夜一発目のバトルか。どこの誰だか知らないが、今度こそ絶対に勝たせてもらう!」
ギアを落として加速状態に入る三台。4WD特有のトラクションを生かして加速していく二台に少し遅れる後続の車は、黄色のDC2インテグラであった。
「やはり置いて行かれるか……駆動方式と過給機のあるなしはどうしても違うな」
グイグイと車間距離が開き、置いていかれつつあるのに、あまり焦っているようには見えないインテグラのドライバー。彼は「Fine Drive」とは違うチーム「Electric Sun」に所属する新米の首都高ランナーである。
「だが、あまり車にばかり頼っているようなら動きでわかるぞ。どういう走りをするのか、後ろから見せてもらおうか!」
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