暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン 〜槍剣使いの能力共有〜《修正版》
SAO編ーアインクラッドー
08.神殺しの聖槍
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ようもないしな」

「そうだったんですか。……やっぱり、シュウさんはすごいですね」

「そんなことねぇよ」

 シュウは、これまであった冒険の話をシリカに語る。それに食い入るように聞いている。
 そんな話で暇を潰しているその時だった。悲鳴にも似た声が店内に響いた。

「なによこれ!!」

 さっきの少女の叫び声だと判断したシュウは勢いよく彼女が入っていった扉を開ける。
 そこは工房のようで、鉄を溶かす釜や巨大なハンマー、制作途中の武器などが置かれている。
 そこで尻もちをついて驚愕の表情を浮かべている。

「どうしたんだ!?」

「ありえないわ……こんな武器……」

 彼女の目線の先には片手用槍があった。それは禍々しい紅の光を放ち穂先が三つに分かれた三叉槍だ。

「この武器、何なの!?」

 少女は唐突にシュウの胸ぐらを掴み、声を荒げる。

「なにって、君の作った武器だろ。俺に聞かれても……」

 シュウ自体も先ほどの石の詳細を知っているというわけではない。ただ攻略中にレアドロップアイテムで落としたというだけのことなのだから。
 アイテム名は確か《聖者の遺物》。詳細もただその石のよくあるような成り立ちが書いてあるだけだったので詳しくは読んでいない。
 すると少女は申し訳なさそうにしながらシュウの胸ぐらを話す。どうやら冷静さは取り戻したようだ。

「それもそうね。……ご、ごめんなさい」

 あれだけ取り乱すということは、そこまでおかしなステータスということなのだろうか。
 いや、それだけのことでここまで動転するのはおかしい。この槍にはそこまでの秘密があるということだろうか。

「その紅い槍、とんでもない代物よ。多分だけど、アタシの鍛冶スキルがどうこうっていう話でもないわねきっと」

 言っている意味がわからずにシュウとシリカは目が点になる。
 すると鍛冶屋の少女は大きめのため息を吐くと、

「いい、武器を作るにはそれなりの鍛冶スキルを上げてないと上級の武器ってのは作れないものなの」

 それはシュウも承知の上だ。だからこそ迷子になってまで来て武器を作ってもらっているのだから。

「でもね、この武器は違う。アタシが一発叩いただけで、あんたが持ってきた周りの鉱石を全部を素材にして勝手にできたのよ」

「つまりは……どういうこと?」

 まだわからないのかという視線を向けられる。
 鍛冶知識ゼロのシュウにそんなことを言われても困る。

「いわゆるクエスト状態だったってこと!」

 鍛冶屋の少女がその言葉を口にしてようやく理解した。慌ててクエスト確認画面を見るとクリア欄に見知らぬクエストがあった。

「つまりは、この石を手に入れた段階から始まる強制クエストだ
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