暁 〜小説投稿サイト〜
雲は遠くて
124章 中島みゆきの『恋文』をカヴァーする信也
[7/7]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話
です。
もちろん。みゆきさんからは、返事はもらえなかったんですけど・・・。
でも、2003年の彼女の歌に、『恋文』というアルバムが出たんです。
おれ、それを聴いて、歌詞を知って、びっくりしたんですよ。
おれの書いたラブレターへの返事じゃないか、これはって。
まあ、そんなことありえないんでしょうけど。
歌詞の中のリフレインの、
『(アリガトウ)って意味が、(これっきり)だという意味だなんて、気づかなかった』
なんていう言葉は、まったく、おれが書いた手紙への返信になっていて、
このみゆきさん歌は、聴くたびに、いつも、
おれへ(やさ)しいささやきのように、おれの心に(とど)くんです。
いつの日か、この真相は、みゆきさんに直接聞いて確かめたいです。
では、聴いてください。中島みゆきさんの名曲です。『恋文』・・・」

 ラテンのリズムを得意とする落合裕子の(ほそ)い指が、やさしく、鍵盤に()れる。

 イントロの、グランドピアノの哀愁がただようメロディが、フロアに鳴り(ひび)く。

 ゆったりとした心地の良いリズムと、大人の哀愁にあふれるメロディの、
バラード『恋文』を、信也は、透明感あふれる独特な声で、心を込めて歌い始める。

 原曲『恋文』のレコーディングはアメリカ、ロサンゼルスで行われている。
その原曲にできるだけ近い演奏の実現のために、
このライヴ演奏には、クラッシュビートのメンバーのほかに、
早瀬田大学のミュージック・ファン・クラブ(MFC)の学生たちが参加した。
バイオリンが5名、チェロも3名。軽快なパーカッションは岡昇。
キーボードも女子学生が弾いた。

 この熱いパフォーマンスのライヴ演奏に、
最前列のテーブルの席の心菜と由紀のふたりは、
何度も涙で、(ひとみ)(うる)ませた。

 鳴りやまない拍手と歓声の中、アンコール曲は、
再び、この濃厚で美しい演奏の『恋文』のカヴァーだった。

☆参考・文献・資料☆
1. 中島みゆき全歌集  1990年版 朝日文庫
2. まんがと図解でわかるニーチェ 別冊宝島
3. 思想するニーチェ 秋山英夫 人文書院
4. ニーチェ入門 竹田青嗣(せいじ) ちくま新書
5. 体を芯からやわらげる健康ストレッチ 永岡書店
6. 中島みゆき - 音楽プロダクション - Yamaha Music Entertainment

≪つづく≫ --- 124章おわり ---


[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ