124章 中島みゆきの『恋文』をカヴァーする信也
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んなエピソードでも、心菜ちゃんのマンガの制作に役立つのなら、
自由に使っていいですよって、しんちゃんはやさしく言ってくれたわ。
でも、中島みゆきさんが関係するようなエピソードだから、
作品に使用するのは難しいかもいれないねって言っていた、しんちゃんは。
みゆきさんは、藤女子大学の文学部の国文学科を卒業しているのよね。
折り紙付きの文学少女って感じ。
小学生の時に好きだった文学少女の女の子には、結局、ふられたんだって、しんちゃんは。
そんな心の痛手もあって、しんちゃん、
みゆきさんには、好意や関心を持ってもらえるように、
自分の年齢も中1だってことも、手紙には書かないし、明かさなかったのよ。
中1じゃあ、大人の女性のみゆきさんには相手にされないだろうからって。
おかしいわね。由紀ちゃん。うふふ」
「恋するってことは、愛するってことは、心と心との関係で、魂と魂との関係ですものね。
この世に生を受けた命と命が、奇跡的な確率で出会うことができた、その歓びですものね。
だから、年齢差はどうでもいいことだし、、どんな障害だって、
愛し合うことができるとすれば、その男女には関係ないものよね。
ましてや、文学や音楽を大切に思ったりできる、価値観の近い、
同志的な関係なら、なおさらね。心菜ちゃん。」
「そうよね。みゆきさんの歌の『命の別名』には、命の別の名前は心のことって、確かあって、
あの歌もすばらしいわよね。あんなふうな奥の深い、いい歌をたくさん作れるから、
みゆきさんって、1970年代、1980年代、1990年代、2000年代って、
4つの世代で、チャート1位に輝くことができたアーティストなのよね。
そんな40年間も活躍しているアーティストは、中島みゆきさん、ただひとりなんですって。
この『中島みゆき全歌集』の解説は、
詩人の谷川俊太郎さんが書いているのよ。それがすごくいいの!由紀ちゃん。
もう立派な、私たちの日常にも、世界にも通用するような、わかりやすい芸術論になっているのよ。
この谷川さんの解説の最後は、
『歌は決まりきったことばに新しい感情を与える。
そして誰もが知っている慣れきった感情に、新しい言葉をもたらす。
歌を書くものも聞くものも、そうやって未知の≪私≫を発見し続けていくのだ。』
っていう言葉なんだけど、たとえば、何か創造的なことに挑戦するとか、
芸術的な活動を楽しんだりすることや、
平凡な毎日の生活や仕事に励んだりすることも、
つきつめれば、新しい自分と出会ったり、何か新しい発見をしたりする、
そんな日常にささやかな歓びを見つけるための、旅の連続のようなものだと思うのよね。由紀ちゃん」
「そうね。心菜ちゃん。何のために生
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