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FAIRY TAIL ―Memory Jewel―
妖精たちの○○な日常 vol.1
S t o r y 1 3 地底の研究室
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でて、日の光が射し込んでくる窓の外に目を向けた。そして右手を胸に当て、自分の心臓が動いてるのを実感するとゆっくりと目を閉じる。
「俺は……生きてる、のか―――――。」
再び目をゆっくりと開け辺りを見回すと、隣の綺麗に整えられているベッドの上に自分が着ていた服が丁寧に畳まれていた。ボロボロだったはずの黒いロングコートも、血塗れだったはずの群青色のUネックも破れてもいなければ汚れてもいない。
青年はベッドから下りるとその服を手に取りしばらく撫でたりひっくり返したりしていたが、やがて怪我をしている部分に負担をかけないように病衣を脱ぐと、自分の服を着る。ほのかに洗剤の香りがして青年は思わず頬をほころばせた。
そしてロングコートを羽織り左胸に手を当てると、
「―――――!!?」
大きく目を見開いて声にならない驚嘆の声を上げた。
右胸やコートのポケット、ベッドの下や布団の中など部屋の隅々まで隈なく探したがどこにもない。大事な大事な
ア
(
・
)
レ
(
・
)
が無くなっていた。
青年は息を呑む。
(俺が意識を失っている間に、奴等に盗られたのか―――――?もしそうなら、俺はどうして……生きているんだ―――――?)
目の前が真っ暗になり、思考がぐちゃぐちゃになった青年は部屋のドアが開いたことに気づかなかった。
「あら、もう起きて大丈夫?」
「!!?」
背後から聞こえた声に驚いて振り向くと、青年の目の前には前髪を結わえた銀髪に水色の瞳、赤色のワンピースを身につけた女が立っていた。女は優しそうな笑みを浮かべている。
(……女?)
青年は言葉を失い、ただただその女の見つめることしか出来なかった。
(奴等の中に、こんな女がいた覚えは無いぞ……。)
「あ、もう服着替えたのね。ちょっとボロボロになってたり汚れてたりしてたから、勝手に直したり洗っちゃったりしちゃったんだけどよかったかしら?」
女は包帯の束を抱えていた。どうやらわざわざ包帯を替えに来てくれたらしい。
(って、そんなことより……!
ア
(
・
)
レ
(
・
)
を早く見つけないと―――――!)
女のペースに飲まれそうになった青年は慌てて頭をぶんぶん振ると、部屋の中を再び見回す。青年のそんな様子を見た女はワンピースのポケットから、あの黒いチップのようなものが入った透明な球体を取り出し、
「もしかして、これを探してるのかしら?」
「!」
案の定、青年の目が大きく見開いた。といっても、右目は黒い眼帯で覆われていて見開いたのは左目だけなのだが・・・
女は球体を両手に持ち直しながらゆっくりと青年に歩み寄っていく。青年は若干身構えていたが、女が青年の目の前まで来て球体を差し出すと、肩の力を抜いて球体を受け取った。
「ゴメンね。服を洗濯するのに
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