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FAIRY TAIL ―Memory Jewel―
妖精たちの○○な日常 vol.1
S t o r y 1 3 地底の研究室
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を覚ますと思うわ。」

少し汗ばんだ額を手の甲で拭いながらミラが言った。

「お腹の傷が予想以上に深くて、なかなか塞がらなくて大変だったの。お陰で包帯がほとんど無くなっちゃったわ。」

ミラの言うとおり、救急箱の中にたくさんあったはずの包帯が綺麗に無くなっていた。

「ミラ、ウェンディ、疲れているところ悪いんだが、あの男何か持っていなかったか?」

2人がいすに座るのを待ってからエルザが問うと、ミラが何かを思い出したかのようにパンと手を叩いた。

「そういえば、左胸の辺りに黒くて小さい……今取ってくるわね。」

そう言うとミラは医務室に戻るとすぐに何かを握り締めて皆のところに戻って来た。

「こんな物を持ってたんだけど……」

ミラの手の中を一斉に覗き込む。ミラが持っていたのは透明な球体だった。その球体の中に黒いチップのようなものがある。

「何だコレ?」
「さ、さぁ…?」

首を傾げるグレイの問いにルーシィも首を傾げる。

「他にはなかったのか?」
「ううん、他は何も持ってなかったわ。」

イブキの問いにミラは首を左右に振る。

「これだけじゃ、何も分からないわね。」
「やっぱり、本人に聞くしかなさそうだね。」

シャルルとコテツの言葉に皆は頷いた。

「あ、それと―――」

その場にいた全員の視線が再びミラに集まる。

「あの子の左腕に、“G”っていう文字が刻まれてたの。」

ミラ以外の人間が同時に首を傾げた。

「“G”?」
「何だそれ?」

イブキとナツが首を傾げる。

「火傷の跡みたいな感じだったんだけど……」
「それはあまり関係なさそうだな。」
「そう、みたいね。」

首を傾げて悩むミラに対しアオイが肩を竦めながら言った。

「………」
「エメラさん?どうかしたんですか?」
「え、あ……ううん、何でもないよ。」

考え込んでいるエメラを見てウェンディが問うと、エメラは何事もなかったように首を振った。

(うーーーん……あの人、どこかで見たような見てないような……?…ダメだ、やっぱり思い出せない。)

いつのまにか雨は止み、空が明るくなり始めていた。





―2日後―

あの日から2日後―――――その青年は目を覚ました。
最初に視界に入ったのは見覚えのない真っ白な天井。そして僅かな薬のにおいが鼻をついた。

(………どこだ、ここ?)

瞬きを繰り返しゆっくりと右手を動かし右目を触ると、きちんと眼帯で覆われていることに安堵しそして頭に包帯が巻かれていることに気づいた。
青年はゆっくりと起き上がり、痛みが全然無いことに驚く。

(………随分、丁寧だな。)

腕、肩、お腹、足に巻かれた包帯を撫
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