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FAIRY TAIL ―Memory Jewel―
妖精たちの○○な日常 vol.1
S t o r y 1 3 地底の研究室
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テメェ等も認められてほしいなら“こっち”に来い。」

イブキがくいっと右手で挑発するように自身の方に手を動かす。イブキの言葉を聞いた男はしばらく微動だにしなかったが、ゆっくりと首を左右に振った。

「そうかよ。―――――残念だ。」

そしてイブキは再び破壊の拳を握り締めた。イブキの拳が再び淡い紫色の光に包まれる。

「破壊の鬼―――フラジールの力で、俺がテメェ等の“存在理由”を破壊(こわ)してやる!」

床を蹴り上げ、男に向かって駆け出した。イブキが男の顔面に向かって拳を振り下ろすのと、どこからか澄んだ少女の歌声が聞こえたのが同時だった。淡い紫色の光に包まれたイブキの拳が男の眼前で止まる。

「♪〜〜〜〜〜」
「なっ、手が、勝手に……!?」
「体が、動かん……!」
「クソ!どーなってやがる!?」

攻撃の手が止まったのはイブキだけでなく、他の指名手配者達と対峙していたエルザの剣が、グレイの造形魔法が、エメラの蒼玉(サファイア)の水の魔法が、アオイの青竜刀が、まるでそこだけ時が止まったかのように動かなくなっていた。もちろんナツやルーシィ、ウェンディやコテツもその場から動くことが出来ない。
―――――その時だった。

「うわっ!?」
「キャッ!」
「な、何コレーーー!?」

身動きがとれないナツ達の体が何かに吸い寄せられるように勝手に動き、部屋の中心で背中合わせになってしまった。そして淡白い光を放つ縄が出現し、全員の体をまとめて縛りあげた。

「この歌声のせい……?」
「だとしか考えられないわね……。」
「これが、『戦慄の歌姫(シャダー・ディーバ)」が奏でる地獄へと誘う歌か……。」

ウェンディ、シャルル、エルザが耳に木霊する歌声と縄で縛られている苦しさに顔を顰める。
黒いコートが羽織った男がエメラの前に立つ。そして背中に腕を回し水色の鞘の剣を抜く。暗闇でも銀色に光る剣の切っ先をエメラの眼前に突き付けた。

「ヒィッ……!」
「おい止めろっ!」

エメラは小さく悲鳴を上げ、グレイが声を荒げながら止めようとするが縄で縛られているため何もすることが出来ない。
男が腕を振り上げたのと同時にエメラはギュッと目を固く瞑る。・・・が、いつまでたっても意識が遠のくこともなければ体に激痛が走ることもない。

「っ//////////!?……え………は、はァ!!?」

男の明らかに動揺した声が聞こえ、エメラは恐る恐る翠玉(エメラルド)色の目を開けると、

「……えっ?」

目の前の光景に息を呑んだ。
剣を振り上げた男の手首を、無数の蝶を操る少女が掴んで止めていたのだ。エメラやナツ達はもちろん、ナツ達を逃がすまいと囲うように立っていた他の指名手配者達もその予想外の光景に戸惑っているよ
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