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SAO−銀ノ月−
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合流する場所を決める。

「やっぱりボス戦にならないと現れませんかね……」

「……あ、悪い」

 もちろん合流する間にもモール内をくまなく探したが、やはり手がかりは全くなく。シリカが悔しげに顔を歪めるとともに、ポケットの中に放り込んでいた携帯が、自分のだと示す神崎エルザの着うたとともに揺れた。マナーモードにしていたつもりだった、と思いながらも端末の画面を見れば。

「レイン……?」

「レインさんですか!?」

「……もしもし」

『あ……ショウキ、くん?』

 携帯に表示されていたのは、ずっと連絡が通じなかったレインからの着信。他のメンバーに謝りながら場所を移すと、携帯から弱々しくレインの声が聞こえてきた。

「大丈夫か?」

『……ごめん。伝えたいことがあるから、家に来てくれないかな……?』

「家? でも……」

『場所なら、今から《オーグマー》で送るから』

 レインの震える声が携帯から届くとともに、宣言通りに《オーグマー》へと地図が届く。聞いたことはなかったが、どうやら本当にレインの家周辺の地図のようで、彼女が何を言おうとしているか問いただした。

「レイン、どういう……」

『……来てくれれば、話す。いつでもいいから……ごめん』

 こちらからの質問は意図的に無視されたようで、レインからの着信は向こうから切られていた。一息吐きながら携帯をポケットに戻すと、心配そうにこちらを見ていたメンバーの元へ戻っていく。

「レインさん、なんて?」

「多分……リズと同じだと、思う」

 直接的にそう言われた訳ではないが、あの携帯越しでも伝わる震えた声は、病院で聞いたリズと同様のものだった。それから電話の内容であった、話があるから家に来て欲しいということを伝えると、アスナが得心の言ったように頷いた。

「ショウキくん、行ってあげて。レインさんのところに」

「だけどな……」

「……多分レインさんは、ショウキくんの予想通りに、リズと同じ状態なんだと思う」

 もちろんアスナの言う通りに、今すぐレインのところに駆けつけたい気持ちもあった。しかして今、電車の乗り継ぎに次ぐ乗り継ぎが必要なレインの家に向かえば、確実に今夜のボス戦に参加することは出来ないだろう。もちろんボス戦のポイントが惜しいなどと言うつもりはなく、エイジというあの青年がいるかも知れないこの場に、三人を残すことが心配だった。

「SAOのことが何も思い出せなくなるなんて、多分私は、リズみたいに1人じゃ耐えられない。レインさんも、今すぐ助けを求めてるだろうから」

「そうですよ、ショウキさん。ここはわたし達に任せてください!」

「ショウキくんの代わりはキリトくんを呼ぶから、ね?」

「……分か
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