第70話<後の祭り>
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は食堂でお待ちしております」
一礼をして退出した彼女。
私は控え室でピンクの作業服から紫の作業服に着替えた。もうどうにでもなれ、だ。
食堂に下りると参謀たちは既に着席していた。
「おお、スマンです。先に頂いております」
呉オジサンが言い訳をする。
「いや、そのままで結構です」
私も彼らに合流して着席した。
案の定、神戸も舞鶴も少しギョッとしている。
私は言った。
「ああ、この作業服……サイズがなくて結局、戦艦娘のものを借りたんですよ」
舞鶴が言う。
「目がチカチカしそうだな」
「やっぱり……艦娘ですねえ」
神戸が納得している。
私が参謀たちと朝食を食べていると大淀さんが来た。
「失礼します」
「どうした?」
彼女は報告書を見ながら言う。
「一時間程度で、港湾内の掃海は終わりました」
「そうか、ご苦労」
私は返事をした。
すると舞鶴が口を開く。
「思ったより早いな」
大淀さんは彼を向いて応えた。
「はい、掃海自体は、これで完了ではなくて今回は緊急出動に必要最低限の航路を確保しただけです。二次被害を防ぐために一旦は撤収させました」
改めて私は思い出したように聞く。
「あれは……川内は大丈夫だったのか?」
その言葉に彼女は少し困惑したような微笑を浮かべた。
「ええ、実は『まだまだ』とか言って物足りなさそうでしたが神通さんが止めていました」
「はは、やっぱり」
私は苦笑した。参謀たちも同様だった。
大淀さんは報告が終わると敬礼をした。
「では、皆生までの配車の準備を致します」
「頼む」
私も敬礼を返した。
「失礼するよ」
響が私の朝食を持ってきた。
「ありがとう」
「……」
軽く頷くようにして彼女は厨房の方へ戻っていく。今朝は響以外の第六駆逐隊の面々は休んでいるようだな。
「まあ、司令の紫パワーには負けますが」
そう言いながら呉オジサンは懐から何かを取り出す。
「実はさっき何人かの駆逐艦娘の子たちに手紙っちゅうか手書きのカードを貰ったんや」
彼は机の上に数枚のカードを出して見せてくれた。
「まぁ孫娘みたいな感じやね」
すごく喜んでいる。
「ジイジ感、一杯ですよ?」
神戸が、からかうように言うが呉オジサンは満更でもない様子だ。
いずれ彼は、この鎮守府宛てに『もみじ饅頭』とか大量に送ってくるかもしれない。
「そういえば私も……」
神戸もまた懐から手紙を出す。
「鳳翔さんや赤城さんからは、何故か御礼状を貰いました」
顔を見合わせる一同。
「なぜって? 理由は明らかやないか?」
呉オジサンが反撃する。
「いや、実は手紙の内容以前に、こ
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