暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは『絶対零度の魔導師』
アージェント 〜時の凍りし世界〜
第一章 《凍てつく白銀の大地》
ゼスタ事変@
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付くしまも無しって感じやったからな。」

うーん、と唸る三人。

「そういえば……《あの子》、何だったんだろう?」

「「あの子?」」

「ほら、はやて。私がぶつかっちゃった子。あの人の知り合いだったよ。」

フェイトが氷雪の事を思い出す。暁人と出会った事で頭が一杯で見逃していたが、考えてみれば関係してない筈がないのだ。

「うーん……あの子も何者なんやろな?」

「似てないけど、兄妹かな?お兄ちゃんって呼ばれてたし。」

「妹がいるのか……名前は分かるか?」

「そこまでは……あ、後使い魔も連れてたよ。」

フェイトの言葉にクロノの顔が明るくなる。今現在、アージェント在住の登録魔導師を片っ端から調べているが、未だ全体の5%にもなっていない。家族や使い魔の有無が分かれば、それだけでもかなり範囲が狭められる。

「よし、それなら……!」

クロノが艦橋に指示を出そうとした時、反対に艦橋からクロノに連絡が入る。

「エイミィ、どうした?」

『クロノ君大変!ゼスタの街中で巨大な魔力反応が暴走してる!!』

「「「!!?」」」

エイミィの報告に顔を見合わせる三人。ゼスタ市街地での大規模魔力反応。先程の取り逃がした彼が無関係だとは思えなかった。

「駐留部隊は!?」

『まだ動けてない!』

「クッ……フェイト、はやて、すぐにゼスタに向かってくれ!」

「「了解 (や)!!」

「僕も艦橋に入る。エイミィは……」

『え?駄目だよまだ!って、ちょ、なのはちゃーん!?』

通信に入るエイミィの焦った様な声。

「今度はどうした!」

『なのはちゃんが……『私が一番近いから』って言って、現場に……。」

「なっ………!?」

事態は、さらなる混乱を迎えようとしていた。
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