暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは『絶対零度の魔導師』
アージェント 〜時の凍りし世界〜
第一章 《凍てつく白銀の大地》
ゼスタ事変@
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寒く感じる。

「当たり前や。こっちは友達傷つけられてんのやで?」

声を荒げたりはしないが、確かに本物の怒気を含んだはやての声。そこら辺のチンピラなら怯むか呑まれるかするかもしれないが、暁人は涼しい顔だ。

「やむを得ない事情があるなら話して下さい。……それがどんな事情なのかは想像出来ないけど、そうすればなのははきっと許してくれる。……私が許せるかは分からないけど。

フェイトの言葉にも、剣呑な気配が滲み出ている。

「事情……事情ね。別に何も特別な事はない。ありふれた事情だよ。」

暁人の冗談とも本気とも取れないその言葉は、二人の感情に油を注いだだけの様だ。一触即発、リンカーコアから僅かながら魔力が溢れる。

「……俺は管理局を信用していなければ、頼ろうとも思わない。お前達が管理局を信じてる限り、俺とお前達が交わる事はないだろうな。」

「……それは、どういう……」

暁人の台詞の意味を捉え損ね、尋ね返すフェイトだが、それに答える事なく背を向ける暁人。

「……尾行でもなんでも、好きにやればいい。」

冷然と言い放ち、一方的に会話を打ち切った暁人はそのまま歩き出した。

「「………?」」

残された二人は顔を見合わせながらも暁人の後を追った。否、追おうとした。

「えっ?」

「そんな……嘘やろ?」

一瞬前まで確かに居た筈の暁人の姿は、既に見えなくなっていた。

「……気づかれてないな?」

Of course.(当然です。)

暁人がそっと首から下げた相棒に話しかける。今、ハボクックが発動させている魔法《オーロラカーテン》は、範囲内の対象を視覚的、魔力的に欺瞞するものだ。オプティックハイドの範囲版とも呼べる。

「さて、さっさと合流するぞ。」

Aye sir.(了解)










《アースラ》艦長室

「そうか……。」

あの後、暁人を捜すも捉えられなかったフェイトとはやては、一先ずアースラに戻り、クロノに報告をしていた。ちなみにアースラは、先日の戦闘で中破して以来、未だ修理中だ。完了は年明けになるらしい。

「ごめんなぁクロノ君。折角のチャンスやったのに……」

「いや、いい。市街地戦を避けたのは正解だ。あんな奴と街中で戦闘したらどれだけの被害がでるか分からない。」

「でも……その後も逃がしちゃったし。」

クロノは二人を励ます様に間違ってなかったと言うが、二人ともまだ暗そうだ。話を進めた方がいいと判断したクロノは自分から切り出す。

「それより気になるのが、奴が何でゼスタに居たのか、だ。あれ程周到な奴が何の目的も無しに街中を彷徨くとは思えない。」

「目的かぁ……話すには話したけど、取り
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