第五章
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「その人とね」
「そう。じゃあこれからはなのね」
「刺激的な恋愛を楽しむのね」
「そうした恋愛もいいものよ」
女同士の危険な相手、その彼女との恋愛を。
私は楽しんでいた。そして自分の胸のタトゥーを見てだった。そして彼女達に言った。
「今日も。会うわ」
「そう。じゃあ楽しんできてね」
「その恋愛をね」
当然そのつもりだった。それでだった。
私は沙耶香のことを想った。今夜も会いたいと。そしてあの危険でそれでいて甘美な夜のことを想って。そのうえでまたタトゥーを見た。彼女を。自然と妖しい笑みに自分もなっていることがわかった。
TATOO 完
2012・1・4
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