第三話 新たな天使
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目の前で。
────ママっ!ママっ!
と泣き叫ぶ女の子。女の子は倒れ込んだ母さんらしき物体を揺さぶっていた。
おい、それはママじゃない。
それはもう、「ママ」じゃない。
止めろ。
止めろ。止めろ。
止めろ。止めろ。止めろ。
止めろ。止めろ。止めろ。止めろ。
止めろ。止めろ。止めろ。止めろ。止めろ。
止めろ。止めろ。止めろ。止めろ。止めろ。止めろ。
止めろ。止めろ。止めろ。止めろ。止めろ。止めろ。止めろ。
止めろ。止めろ。止めろ。止めろ。止めろ。止めろ。止めろ。止めろ。
止めろ。止めろ。止めろ。止めろ。止めろ。止めろ。止めろ。止めろ。止めろ。止めろ。止めろ。止めろ。止めろ。
止めろ。止めろ。止めろ。止めろ。止めろ。止めろ。止めろ。止めろ。止めろ。止めろ。
────止めろ!
「もう、止めろ」
俺はいつの間にか、女の子の隣に立っていた。
「君のママは。もう、「ママ」じゃない」
女の子の母親「ママ」を俺はとても凝視できない。だってそれは、人間じゃない。人間には見えない。
俺の知ってる人間はそんな「形」をしていないんだ。
「もう、止めろ」
「……やだ。ママはっ」
「止めろ……それは、」
「ママっ!ママ────」
女の子はこれを母親と認識している。
止めろ、止めてくれ。
それはママじゃない。それはもう、「人間」じゃない。
気付けよ。お前が、それを揺さぶるからそれの裂けた腹から血がどんどん溢れ出てる。
あぁ、冷静になって見れば。
この女の子の母親だったそれの右腕が無い。もしかしたらさっきの右腕はこの女の子の母親だったもののかも知れない。
「ママっ。ねぇ、起きて。
今日の夕食は私と一緒にハンバーグ作るって約束してたじゃん……。
ねぇ、起きてよ。話したいこと沢山あるの。隣のお姉ぇちゃんがね、最近好きな人が出来たんだって。その人、先生に怒られてばっかりでクラスの皆からも非難されてたんだけどお姉ぇちゃんが勉強を教えてからその人、変わったんだって。無表情で何を考えてるか分かんないけどクラスの皆のことを大切に思ってて分からない所があったら放課後に教えてあげるんだよ?」
────止めてくれ。
「それでね。お姉ぇちゃんはその男の子のことが最初は嫌いだったんだったよ。授業中は寝てばっかりで起きてても空を眺めるばっかりで先生の話を聴こうともしない。人の名前も間違って覚えるし好きになれなかった……でも、空を眺める時の表情はカッコイイって言ってた。でも、その男の子せいで廊下に立たされたり、職員室に行って謝りに行ったのはホントムカつくって言ってた。
でも、それでもね。お姉ぇちゃんは楽しかったんだって。
怒られたのは嫌だったけど、その男の子
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