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ソードアート・オンライン 〜槍剣使いの能力共有〜《修正版》
SAO編ーアインクラッドー
06.赤と幻惑
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た一人も殺したじゃないか」

「あぁ〜、今それ言っちゃゲームにならないっすよ」

 こいつらは何でそんなことを平気で言えるんだ。

「さて、取り掛かるとするか」

 PoHが一歩一歩俺に近づいてくる。

 ───……俺はここで死ぬ。

 PoHは躊躇なく、大型ダガーを振り上げる。死を覚悟した瞬間、金属同士がぶつかり合う乾いた音が響く。
 恐る恐る目を開けてみると、シュミットの前に槍を持つ、漆黒のコートを身にまとう少年が現れる。

「どうやら、ギリギリ間に合ったみたいだな」


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「何故貴様がここにいる。《槍剣使い》」

「そのセリフそっくりそのまま返してやるよ。殺人ギルド《ラフィン・コフィン》リーダーさんよ」

 シュウとPoHは視線を交わす。それは、以前に幾度となく交わした人を殺す時に笑っていたあの眼。人を傷つける時に笑っている眼。その全てがシュウを苛立たせる。
 そしてあの頃の殺意を蘇させらせる。
 あの時の……

「今なら見逃してやる……だから俺の前から消えろ」

 するとPoHはわずかに口元に笑みを浮かべて、

「今度こそ、俺たちを殺せる絶好のチャンスなのにか」

 その言葉で何かが切れる音がした。
 片手槍を抜き取るとPoHへとその矛先を向ける。

「そうだよな……なら……死ね」

 槍がPoHの身体を貫く寸前だった。

「シュウ! 早まるな!」

 地面を強く踏みしめる音とともに漆黒の影がシュウとPoHの間に割り込んで来る。それはプレイヤーの移動手段の一つのNPCの馬だ。その上から転がり落ちるように誰かが降って来る。
 それは漆黒のコートに身を包んだ剣士だった。

「……キリト」

 その姿を見た時にシュウは我にかえる。
 本来の目的を見失うところだった。

「すまねぇ……」

 キリトは、こちらを一瞥してからPoHたちへと背中の剣を引き抜いた。

「さて、どうする。もうすぐ援軍も駆けつけるが攻略組三十人を相手にしてみるか?」

 沈黙の睨みあいが続く。
 するとPoHが指を鳴らすと他の二人は武器を元へと戻す。どうやら戦う気は無いようだ。
 PoHは短く「行くぞ」とだけいってその場から立ち去って行く。後に続いて他の三人も立ち去って行く。

「また会えて嬉しいよ、ヨルコさん」

 ヨルコは少し申し訳なさそうに口を開く。

「全部終わったら、きちんとお詫びにうかがうつもりだったんです。と言いても信じてもらえないでしょうけど」

「キリト、シュウ」

 麻痺が解けたシュミットが立ち上がる。

「助けてくれたのは礼をいうが何でわかったんだ。あいつらがここで襲って
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